2026年10~12月に開催する「山口デスティネーションキャンペーン(山口DC)」。目玉企画のひとつとして、現在運休中のJR美祢線(長門湯本駅〜板持駅間)の線路を活用したレールアクティビティ「Rail Run!(レイルラン)」を実施します。普段は立ち入ることのできない線路の上を、電動アシスト付き「レールサイクル」やエンジン付き「軌道カート」に乗って進む非日常の体験型レジャー。家族や友人と1台を貸切感覚で利用でき、長門湯本温泉での湯めぐり観光とあわせて手軽に楽しめます。これまで「列車に乗って通り過ぎるだけ」だった線路が、自らの足でペダルを漕いで進む新しいアトラクションに。秋の風を感じながら、足元から響く「ガタンゴトン」というジョイント音やレールの感触を全身で味わう、エモーショナルな時間を体験できます。
本記事では、いち早く現地でレールサイクルに乗車した体験レポートとともに、2種類のアクティビティの違いや料金プラン、予約方法、そして参加時の服装やアクセスに関する注意点まで詳しく解説します。

山口デスティネーションキャンペーン(山口DC)とは?

山口県の観光シンボルマーク「ふくだるま」のぬいぐるみがぎっしりと詰め込まれた「ふくだるまの壁」が目を引く山口DC観光PR展示(写真はJR広島駅改札内)

おいでませ山口観光キャンペーン推進協議会とJRグループが手を組み、2026年10月~12月の期間で開催する大型観光キャンペーン「山口デスティネーションキャンペーン(山口DC)」。キャッチコピーは「『万福の旅』 おいでませ ふくの国、山口」。「万福の旅」をテーマとした200を超える特別企画や観光コンテンツが用意されており、豊かな自然や歴史文化、名湯、そして山口自慢の絶品グルメなど、現地ならではの多彩な魅力を堪能できます。

【参考】ドクターイエロー体験乗車やSL復活運行も? 2026年10月開幕「山口DC」で鉄道ファンが注目すべき特別企画と周遊きっぷを解説(※2026年8月掲載) https://tetsudo-ch.com/13036926.html

運休中の線路を走る!?「Rail Run!」2つのアクティビティ

今回のイベント「Rail Run!」では、用途や好みに合わせて2種類のアクティビティが用意されています。どちらも運休中の美祢線を活用することで、線路の構造や風景を肌で感じることができます。

自分の足で進む「レールサイクル運転体験」

レールサイクル運転体験

電動アシスト自転車を使用した特製のレールサイクルを、参加者自身が運転して線路上を走行します。定員は1台あたり最大4名(自転車の運転2名、観覧シート乗車2名)。運行台数は1時間帯あたり最大3台で、折り返し地点で自転車運転者の交代が可能。1名で利用する場合は係員が同乗します。

迫力の「軌道カート乗車体験」

軌道カート乗車体験

JR西日本の社員が運転するエンジン付きの軌道カートに乗り込み、線路上を走行する迫力満点の体験です。定員は1台あたり最大3名(観覧シート乗車3名)。運行台数は1時間帯あたり最大4台です。運転はすべて係員が行うため、参加者は景色や写真撮影を存分に楽しめそうです。

いざ出発!レールサイクル運転体験レポート

長門湯本駅

今回はイベント開始に先駆けて、「レールサイクル運転体験」の「シンプルプラン」を体験してきました。

長門湯本駅の待合室で注意事項などの説明を受けました

事前に注意事項や走行コースを確認後、体験を開始します。

走行コースを事前に確認

長門湯本駅から板持駅までの一部区間、片道約1.2キロの道のりを往復します。

安全確保のため、貸し出し用のヘルメットを着用します

ヘルメットを装着し、いよいよレールサイクルのスタートです!

レールサイクルはJR三江線の廃線跡で使用している「さくらサイクル」からレンタル。設置されている電動アシスト自転車は、前輪が浮いていて、後輪はレールの上に乗っている構造です

長門湯本駅の線路に降りてスタート地点まで行き、電動アシスト自転車に乗ります。

左手は乗降時からブレーキを握っている状態をキープ

ペダルを漕ぎ出すと、電動アシストのおかげで想像以上にスムーズに発進しました。

普段は立ち入ることのできない線路の上を走る非日常体験。線路を独り占めしている気分になります

何より感動するのは、その「音」と「視点」です。普段の列車から見下ろす車窓とは異なり、低い視線で線路の上を進む感覚は非常に新鮮。「ガタン、ゴトン」というレール特有のジョイント音を直接足元から感じることができ、鉄道ファンならずとも胸が高鳴る体験でした!

ルート上には踏切もあり、一旦停車。安全を確認してから進みます

長門湯本駅から板持駅方面へ向かう片道約1.2キロの道のりは、木々の間を抜けるような自然豊かなロケーション。折り返し地点で運転者の交代もできるため、同乗者と交代しながらワイワイと楽しむことができます。

折り返し地点で係員がレールサイクルを回転します

ここからは、再び長門湯本駅へ向かいます。2.4キロ、往復20分程度の体験ですが「あっという間に終わってしまった」と感じました。

少しスピードを出して、風を切って走るのは気持ちいい! でも、まだまだ走っていたい……。そんなことを思いながら漕いでいました

他の参加メンバーからも「思っていたよりもずっと楽しかった」「いつまでも乗っていたい!」そんな声が聞こえてきました。

「軌道カート乗車体験」には、普段は線路の保守・点検に使われている現役のモーター付きカートを使用しています

取材時は軌道カートも少しだけ、乗車体験をさせてもらいました。こちらは自分で運転せず、日常的に線路の保守・点検業務を行っている職員が運転してくれます。写真撮影に集中したい人や体力に自信がない人は、こちらの体験がおすすめです。

開催概要・料金・予約方法

「レールサイクル運転体験」「軌道カート乗車体験」実施日(画像:JR西日本)

「Rail Run!」の体験時間は、サクッと楽しめる「シンプルプラン」と、より深く線路の魅力に触れる「線路ガイドツアー付きプラン」の2種類から選べます。

実施期間
2026年10月20日(火)~2026年12月20日(日)のうち、計31日

体験時間(両プラン共通)
9:30 /10:30 /11:30 /13:30 /14:30 /15:30
・シンプルプラン:所要時間 約30分
・線路ガイドツアー付きプラン:所要時間 約50分
※体験開始の5分前までに長門湯本駅待合室へ集合。

発売料金(1台あたり)
・シンプルプラン:3,600円/台(当日現地販売価格4,000円/台)
・線路ガイドツアー付きプラン:5,600円/台(当日現地販売価格6,000円/台)
何名で利用しても1台あたり同一料金です。大人・こどもの区分はありません。
※レールサイクル、軌道カートともに同一料金です。

予約・購入方法
ご予約およびご購入は、専用アプリ「tabiwa by WESTER」のみでの受付となります。電話予約や現地での現金購入はできないため、事前準備をお忘れなく。

参加前に必読!注意事項とアクセス

ペダルが漕ぎやすい靴と、巻き込まれる心配のない服装で参加しましょう

安全に楽しむため、参加にあたってはいくつかのルールが設けられています。

・服装について
足元が不安定な線路上を歩行する場面があるため、スニーカーなどの歩きやすい靴が必須です。サンダルやヒールはNG。また、チェーンへの巻き込み防止のため、スカートや裾の広がったズボンでの参加はできません。

・参加条件
3歳未満のお子様、妊娠中の方、飲酒をされている方は安全のため体験不可となります。また、身長145cm未満の方はレールサイクルの「運転」はできません(観覧シートへの乗車は可能)。ペットの同伴も不可です。

・アクセスと駐車場
車の場合は長門湯本駅の駐車スペースを利用可能ですが、台数に限りがあるため公共交通機関の利用が推奨されています。
美祢線の代行バスで現地へ向かう場合は「長門湯本温泉」バス停での下車となります。ただし、駅から約800メートル離れているため、移動時間に余裕を持って訪れるようにしてください。

運休中の線路を「ガタンゴトン」という音とともに自分の足で進む、今しかできない貴重な体験。長門湯本温泉での風情ある湯めぐりや食べ歩きとセットで、記憶に残る「万福の旅」へ出かけてみてはいかがでしょうか?

「山口DC」の見どころを巡る旅。次回は、美祢線沿線を周遊できる次世代観光モビリティ「e-Palette(イーパレット)」を活用した日帰りツアー「美祢ぐるっと号」の体験記をお届けします。

文・写真:斎藤若菜

(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)