池袋を起点に、大手町、銀座、国会議事堂前、新宿などを経て、荻窪・方南町へと結ぶ、丸ノ内線。その電車が地上に顔を出す御茶ノ水駅と、そのとなりの後楽園駅で、クレーン車やショベルカーなどの重機の姿が見えました。

御茶ノ水駅では、JR線に沿って流れる神田川の上にクレーン車が。後楽園駅では、ホーム西側に延びる2本の電車留置線の1本に、ショベルカーがありました。

御茶ノ水駅とその周辺では、JRが主体ですすめる御茶ノ水駅改良工事です。神田川上に工事用桟橋を置き、工事ヤードと搬入路を確保。線路とホームの上空に、人工地盤(コンコース)を構築し、エレベータ・エスカレータを整備します。

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この人工地盤の設置にあわせ、御茶ノ水駅 聖橋口に、駅前広場も整備。これら工事は、鹿島建設と大成建設が共同で担当します。

丸ノ内線から見えたクレーン車は、神田川上に浮かぶ台船(バージ)に載せられていたもの。6月21日の豪雨で、神田川の水位が上昇し、丸ノ内線の神田川橋梁と、聖橋工事の保護壁材にはさまれて、立ち往生しているように見えました。

後楽園駅の電車留置線にショベルカー

後楽園駅の西側には、丸ノ内線の電車2本をとめられる電車留置線があります。その留置線2本のうち、南側の1本がふさがれ、その上にショベルカーがありました。

東京メトロは、この工事について明らかにしていませんが、そのヒントが東京メトログループ中期経営計画「東京メトロプラン2018」に記されています。

同社は、自然災害対策の一環として、高架橋柱約1200本の補強、地上部の石積み擁壁約1800mの補強などをあげています。首都直下地震などに備え、震災発生時にも早期の運行再開ができるよう、構造物の耐震補強工事をすすめています。

ショベルカーなどが置かれた南側の電留線のすぐとなりには、都道434号線と歩道が並んで走っています。その向かいには、小石川後楽園が広がっています。電留線は、歩道から6~7m上にあり、壁面は石積み擁壁のようにも見えます。