1日平均乗車人員約10万人、オレンジ色の中央線、黄色の総武線の電車がとまる駅、JR御茶ノ水駅。この駅では、首都直下地震に備えた河川側盛土や台地側擁壁の耐震補強工事、バリアフリー整備事業などが同時にすすんでいます。

明治の時代、甲武鉄道の駅として開業した御茶ノ水駅は、方向別ホームを2本持つ、2面4線の駅。神田川の断崖にホームが並び、千代田区神田駿河台側から、中央線快速 新宿・立川・高尾方面の1番、中央線各駅停車 新宿・中野・三鷹方面の2番、総武線各駅停車 錦糸町・船橋・千葉方面の3番、中央線快速 東京方面の4番と乗り場が並び、同じ方向に同一ホームで乗り換えができる構造です。

駅舎は、ホームの両端に構え、神田川上流側が御茶ノ水橋口、下流側が聖橋口。土休日をのぞく8時から9時半までは、出口専用臨時改札口も開きます。

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7月初旬、ホームを歩くと、従来のホーム上屋が撤去され、コンコースとなる基礎や骨格も見えました。同駅はおもに、バリアフリー整備、聖橋口の駅前広場機能整備、耐震補強工事の3つの工事が同時にすすんでいます。

バリアフリー整備事業では、現在ある線路の上空に、御茶ノ水橋口と聖橋口を結ぶ人工地盤約2900平方メートルを設置し、2つのホームにそれぞれエレベーター1基・エスカレーター2基を配置。御茶ノ水橋口と聖橋口の2方向にバリアフリールートを整備するのにあわせ、聖橋口と御茶ノ水橋口の改良工事もすすめます。

聖橋口駅前広場機能整備では、千代田区と連携し、聖橋口付近の線路上空に人工地盤を設置し、駅前広場機能の整備。あわせて聖橋口駅舎を人工地盤上に移設します。

また、耐震補強工事では、首都直下地震に備えた神田川側盛土、駿河台側擁壁の耐震補強工事を実施。7月初旬には、神田川側の盛土に斜めに差し込んだ補強材の一部が露出しているのが見えました。こうした工事は、バリアフリー整備が2018年度まで、駅前広場機能整備については2020年度までの完了を目指してすすめられています。