お盆休みが終わり、普段の人出に戻ってきた東京駅。8月24日木曜日、朝5時50分。東京を6時ちょうどに発つ、新幹線のぞみ1号博多行き(列車番号1A)は、すでに扉を開けて客をむかえいれていました。

前日の夕方に大阪出張が決まるようなときは、「座れなくてもいい」ぐらいの覚悟で自由席を選びます。たとえ東京出発時に満席だったとしても、新横浜までの新幹線通勤組みが1〜2人いたりして、なんとかなるときもある……と。

この日ののぞみ1号は、東京駅を出る時点で、富士山側の窓側E席が、自由席3両ともすべて埋まっていました。海側の窓側もほぼ埋まり、出張2人組や旅行男女が3列席におさまる。

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「きょうも東海道新幹線をご利用いただきまして、ありがとうございます」

品川駅を出て、肉声のアナウンスが始まる。品川で通路側の席が埋まり始め、新横浜で自由席はほぼ満席に。わずかに残る空席は3列席のまんなか、B席だけ。予想通りに新横浜で新幹線通勤が2〜3人下車し、空いた席に入れ違いで新たな客が座ります。

車内販売も順調のようで、この日は静岡を流れる朝比奈川や大井川の橋梁を越えるあたりで1号車まで到達。これが混雑していたり、大繁盛したりで、名古屋を過ぎて「結局、自由席にやってこなかった」というケースもあります。

「ご案内いたします。ただいま三河安城駅を定刻通りに通過しました」

名古屋に定刻で到着。名古屋出張組みが多いのか、窓側席にも空席が少し現れ始める。右手に伊吹山を見て、米原のヤード、近江鉄道八日市線の線路、野洲川、草津線、滋賀・京都の府県境にある音羽山トンネルを越えると、鴨川をみて京都。

次第に阪急京都線の線路がピタリと寄り添い始め、安威川左岸に広がる鳥飼基地が見えてくると、新大阪駅もあともう少し。

新大阪では、自由席に座っていた半分の客が降りる。「安全よし」「前方よし、後方よし」という東海道新幹線の確認が聞こえてくると、自由席の半分ほどを空席にしたのぞみ1号は、博多をめざして再び駆け始めます。加速していく車両の乗務員室から駅員に挨拶する車掌は、青地のユニフォーム。JR東海からJR西日本の乗務員に、交代していました。

きょうも大阪は猛暑。大阪での仕事を終え、強い日差しが降り注ぐ新大阪駅ホームで返しの新幹線を待つ。博多を10時33分に発ったのぞみ22号(22A)がするすると入線。22Aは、新大阪で自由席をほぼ埋めて、定刻通りに京都、名古屋、新横浜、品川ととまって、東京へと入りました。