七尾線の残り香、能登の秋空、輪島の新しいコンクリート橋脚
9月27日、石川県輪島市。仕事で滞在しているいま、クルマでこの港町を走ると、消える線路と延びる道路が垣間見えた。
東京から、北陸新幹線と七尾線、のと鉄道で穴水まで向かうことも考えたけど、片道6時間もかかるし会議に間に合わないしで、ANAのエアバスA320で羽田から能登空港(NTQ/のとさとやまくうこう)へ。NH747便はうっすら雪化粧した白馬山のすぐ上を行き、わずか1時間で能登半島の滑走路に着地。クルマを走らせること30分ほど、朝市にぎわう輪島市内へ。
線路に沿って行く赤い路線バス
その途中で出くわすのが、のと鉄道七尾線 穴水~輪島間の面影。レールがはがされ、うっそうとした緑で覆われた築堤や、川にぽつんと残された鉄道橋のコンクリート橋脚、そして輪島市文化会館に残るレールやホームの欠片。2001年に廃止された七尾線 穴水~輪島間を代走する、北鉄奥能登バスとすれ違い……。
1898(明治31)年に部分開業した七尾線は、段階的にその線路を延ばし、1935(昭和10)に穴水~輪島間が開業。国鉄分割民営化でJR西日本の線路になったさい、和倉温泉~輪島間の線路が、第三セクターののと鉄道のものに。
そののと鉄道も、穴水から先、能登線蛸島方と七尾線輪島方の2方向に延びる線路をギブアップ。路線バスなどがその間を代走することに。
輪島に出現した真新しいコンクリート橋脚
線路の面影がうっすら残る輪島。そこに真新しいコンクリートの橋脚が出現し始めている。能登自動車道の延伸。金沢や高岡から輪島へ向かう高速道路は、能登空港付近まで達し、その先の輪島へ向けて建設工事がすすむ。
七尾線の線路や河原田川に沿うようにして走る石川県道1号七尾輪島線からは、この新たな高架道路の青写真が見えてくる。