撮り鉄のマナーを考える特集記事

はたして、撮影愛好家はどう振る舞うべきなのかーー。「悪質な撮り鉄は車を使うことが多い」「場所取りしても良い写真は撮れない」など、写真家と元鉄道員の証言から特集しました。最近の「撮り鉄」による事件簿からマナーの実態を明らかにするとともに、マナーと写真の出来栄えの相関関係について写真家が分析。悪質なマナーからいい作品が生まれない理由についての論考も見逃せません。

何で最低限のルールが守れないのでしょうか?

鉄道ファンの中でも、列車の写真を撮ることを趣味とするのが「撮り鉄」と呼ばれる人たちです。もちろん職業として鉄道写真を撮影するプロの鉄道写真家も存在します。また鉄道関連メディア関係者は日々カメラを持って東奔西走して鉄道の写真を撮っています。

極めて当たり前ですが、プロやメディア関係者は誤っても鉄道会社に迷惑をかける様な自殺行為はしません。世の中に流通する鉄道写真の全てがこの様に厳然とルールを守って撮影されているのです。

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ほとんどの鉄道ファン、撮り鉄の方々は、ルールを守って撮影を楽しんでいます。繰り返し言われていることですが、本当に極く一部の「モラルを守れない人たち」の「自分勝手な行為」のために大手メディアなどで度々「鉄道会社に迷惑をかける鉄道ファン」という報道がされ、我々までが肩身の狭い思いをしています。

最近は動画サイトに法律を無視した動画を投稿して、実際に告訴される人が後を絶ちません。常識の範囲では理解できない様な行為を面白半分で撮影し投稿してるのです。同様なメンタリティーで鉄道写真にアプローチされたら、こんな迷惑な話はありません。

アサヒカメラ2018年2月号の「[法律&マナー]嫌われない「撮り鉄」になるために!」を読む様な鉄道ファンは間違えても「嫌われる撮り鉄」になる心配はないでしょう。

アサヒカメラ編集長からのメッセージ

鉄道撮影のマナーの取材中、はたと気づきました。これは風景や動物の撮影マナーの問題と酷似している、と。
一つの被写体に大勢の撮影者が群がり、場所取りで醜い争いをし、環境を害し、周りに嫌悪感を抱かれる。撮影された写真は紋切り型になりがちで、大して面白くもない写真が量産される、という構造です。もっとも、写真なんてルールの許す範囲で、好きに撮ればいいと思います。でも、大勢の撮影者が集まる場所に身を置く際は、そのことを意識してみてはいかがでしょうか。それだけでもマナーの問題は大きく改善されると思います。

正に上記に尽きると思います。

アサヒカメラ2018年2月号の特別付録には”「撮ってよし、乗ってよし、食べてよし」の鉄道旅”が付属。「目に見えないものを写す「ゆる鉄」の極意」「風景写真家が鉄道を撮ってみた」など興味深い記事が並んでいます。

アサヒカメラ 2018年2月号 
定価:900円 2018年1月20日(土)発売