昭和32年から続いてきたJR大船駅ホームの駅そば「大船軒」が3月31日(土)で営業を終了していました

EKISOBA 23】 で取り上げたJR東海道本線・横浜線・京浜東北(根岸)線大船駅の3・4番線ホームの駅そば「大船軒」が61年の歴史を閉じました。

閉店を知らずに「あの甘い汁のそばを食べたいな」と先日訪れたら・・・何と閉店していたのです。閉店の事情は知りません。1999年(平成11年)にはJR東日本系列の日本レストランエンタプライズと共同出資で大船軒トラベルフーズを設立し、駅そば業務は盤石と思っていたので、正に晴天の霹靂!

店頭に貼ってあったお知らせの内容です。

お客さま各位
平素は当店をご愛顧賜り、心より御礼申しあげます。
当店は平成三十年三月三十日(金)をもちまして閉店させていただくことになりました。
これに伴い、当店にて販売しておりました回数券につきましては、三月三十一日以降、左記のの店舗にてご利用いただけますので、引き続きのご愛顧をよろしくお願い申し上げます。

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大船ホームそば店 店長

〈中略〉

平成三十年三月三十一日以降のお問い合わせ先

株式会社日本レストランエンタプライズ お客さま相談室 〈略〉

地元で育った友人は「高校生の頃は大船駅の横須賀線ホームにもあったし、逗子にもあった。笠間口の店もNREに換わってしまった。茅ヶ崎も閉店してしまって、残るのは藤沢だけで凄く寂しいよ。地元の高校生にとっては大船軒は鰺寿司じゃなくて駅そばだったもん。」とのこと。

駅そばファンとしてはひじょうに悲しい。閉店の理由は分かりませんが、個人的な思いとして、「サービス」よりも「利益」が優先されている様な気がします。

確かに階段下の小さな駅そば屋は大した利益は生まないと思います。しかし、ネット上に多くの惜別の言葉があって、中には「今は亡き父親に連れられて子供の頃、初めて駅そばを食べた店です。以来40年以上通って食べた店なので、淋しいというよりも悲しい」とか「高校生の頃、乗りたい電車のドアが閉まるギリギリまで食べていて、何度か乗り損ねたことを懐かしく思い出します」「再開を切に望みます」などなど。

そもそもが大赤字だったというのなら仕方ないですが、大きな利益を生まなくても「ここまで愛されているのだからサービスとして店舗を維持しよう」という方向に経営的には考えられないのかなぁ。

世間のマイナーな、でも長期間愛されてきた店が消えていく背景には「合理的経営判断」があるのでしょう。何だか淋しいですね。

(写真・記事/住田至朗)