マストの広電 福島町電停前、ホルモン天ぷらとでんがく汁
広島に行くと、素通りできないエリアがある。広島市西区福島町。
広電 宮島口行き電車に乗って、猿猴川(えんこうがわ)、元安川、太田川、天満川と渡り、西区役所前の福島町電停で降りる。
電停の北側、住宅街のなかにひっそりとあるその店は、夕方は17時から開ける。風でゆらゆらするのれんをくぐると……。
いつもいつも、地元の常連客で狭い店はいっぱい。かろうじてカウンター2席があいてて、よかった。
まずはとにかく、瓶ビールとショブリ
地元客の他愛ない話と笑い声、冷たいビール、熱々で肉感をしっかり試せるショブリ、たまらない。
落ち着く間もなく、次はホルモン天ぷら。せんまい、ハチのス、ビチ、オオビャク、白肉をオーダー。
カウンターには、注文前から下駄とトング、包丁がおいてある。この上に、やってきたホルモン天ぷらを載せて、自分たちで切って、「いただきます」。
つけダレの酢醤油に、あらびきの赤唐辛子をドバっと足して、口へ。
「うんめえっ」。
衝動をおさえて、ラーメン+でんがく汁
もう一回、ホルモン天ぷらを注文したくなる衝動をおさえつつ、もうひとつの名物。ラーメン。
広島ラーメンのなかでは、ここのラーメンがイチバンじゃないか。
細麺に極細もやしが特徴。もう一杯いける。いけるけど、こんどは、でんがく汁。
さきほど完食したホルモン天ぷらの役者たちが、こんどはスープに入って出てくる。塩味のあっさりスープに、各種ホルモンの旨味が染み出している。アクセントのゆずの皮も、いい。
これがまた、しみわたる。しみると、またビール。
もし自分が億万長者だったら、この店に新幹線で通う。行きは広電で行って、帰りは西広島から山陽線で。西広島駅前のディープな夜も、素通りできないけど。