マコトにけったいな路線【私鉄に乗ろう88】東海交通事業城北線 その1

2019.07.21

※この「私鉄に乗ろう」の写真は、筆者がプライベートな鉄道旅で撮影したものです。鉄道会社さんから許可をいただいていませんので、乗車券などがあれば誰でも利用できる場所から、手持ちで撮影したスナップ写真です。ポケットに入るコンパクト・デジタルカメラ(SONY DSC-WX500)で撮影しています。今回の東海交通事業城北線は2018年12月9日の撮影です。

東海交通事業というのは株式会社です。JR東海の100%子会社で、第二種鉄道事業者として城北線の旅客運送を行っています。

この城北線というのが不思議なんです。スゴク高規格で作られたモダンな高架線なのに愛知県内で唯一の非電化路線。朝夕は1時間に2本、昼間は1時間に1本という運転本数の少なさや、終点の勝川駅と500mほど離れている点も利用者の増加を妨げている様です。

東海交通事業城北線の簡単な歴史

元は、大正11年(1922年)改正鉄道敷設法にある国鉄瀬戸線です。これは東海道本線と中央本線を結ぶ貨物がメインの路線として計画されたものです。

改めて言うまでもありませんが、この改正鉄道敷設法に挙げられた149路線と追加された52路線はほとんどが極めて政治色の強いローカル線(地方交通線)でした。オラが村に鉄道を敷く、という政治家達の利権争いの場だったのです。

しかし、採算を無視してどんどん作られるローカル線が自動的に旧国鉄に押しつけられてきたコトが旧国鉄赤字拡大の大きな要因の1つとして1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化の際にはこの改正鉄道敷設法は廃止されました。

しかし、その20年前の1962年(昭和37年)旧国鉄瀬戸線は鉄道建設審議会の敷設予定鉄道路線となって、名古屋方面との直通を考えて枇杷島駅との分岐線が追加され、瀬戸〜高蔵寺と枇杷島〜勝川間が1976年(昭和51年)に着工されました。この区間が高規格(主要幹線C線規格)で建設された理由です。

しかし、着工から10年以上経った1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化で工事は凍結。勝川〜枇杷島間は東海交通事業に承継されることになりました。しかし、勝川〜枇杷島間の借損料年間49億円を鉄道建設・運輸施設整備支援機構(元の鉄建公団と運輸事業団を合体した独立行政法人)に2032年まで支払わなければならない上に電化を行えばその分も負担が増えるコトから非電化で開業となりました。

1991年(平成3年)城北線勝川〜尾張星の宮間開業。JR東海からキハ40形を借りて運行。
1993年(平成5年)尾張星の宮〜枇杷島間開業。新たに自社所有のキハ11形200番台4両を新製。2両が城北線に2両はJR東海に貸し出されていました。(城北線線の使用料との相殺)2015年(平成27年)改めてJR東海からキハ11形300番台2代を購入。キハ11形200番台は置き換えられました。この200番台の2両がひたちなか海浜鉄道に譲渡されました。

ちなみに、瀬戸〜高蔵寺間は、愛知環状鉄道として開業されています。この路線は電化されていますが、単線・複線が入り乱れ、高架の高規格線ですが実に不思議な路線となっています。こちらは東海交通事業城北線の次にレポートする予定です。

東海交通事業城北線は、全線・非電化の高規格複線というマコトにけったいな路線です。線路や鉄道施設をJR東海が保有する第一種鉄道事業者、実際に車両の運行を行う第二種鉄道事業者が東海交通事業となっています。営業キロ11,2kmに6駅。枇杷島駅と勝川駅構内に一部単線区間がありますが、ソレを除けば複線化されています。

ではJR東海の東海道本線枇杷島駅から出発します。東西自由通路がある橋上駅舎です。

東海道本線の島式ホーム3・4番線の横に東海交通事業城北線の1・2番ホームがあります。このホームは名古屋駅と稲沢駅(枇杷島駅から京都方面に清洲駅・稲沢駅と続きます)との間を結ぶJR東海貨物稲沢線上にあります。右には新幹線の高架線が見えます。

いずれにしても東海道本線には多くの貨物列車が運行されています。この時は東海道本線上の枇杷島駅ホームを通過していきました。大宮更新色のEF64 1011が牽引しています。

駅名標。JR東海の駅名標のロゴがTKJ(東海交通事業)のロゴになったダケに見えます。

9:58発の勝川行に乗ります。キハ11形300番台。

手前にレンズの干渉ノイズが入ってしまいました。右のホームはJR東海東海道本線。城北線は京都方面に向かって走り出します。

JR東海のホームは長い。ポイントで左の線に移ります。この区間は単線です。

ここから城北線は複線になります。左に降りて行くのは新幹線の高架下の保線車両留置線。

城北線を象徴する不思議な眺めです。高規格な高架の複線ですが非電化という滅多に眼にしない景色。強いて言えば井原鉄道井原線が似た高架線非電化ですね、ただし井原線は単線ですが。キリンビールの工場の巨大タンクも凄い。

井原鉄道なみにスピードを出すのかと思いきや、ワリにゆっくり進みます。

不思議な不思議な東海交通事業城北線。次は、【私鉄に乗ろう88】東海交通事業城北線 その2 です。

(写真・記事/住田至朗)

TAGS 城北線 愛知環状鉄道線


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