「困った」と「助けたい」をスマホでつなぐ実証実験、西鉄福岡(天神)駅などで始動! 大日本印刷らがけん引、LINE &HAND とBeaconを活用【動画】
「困った。西鉄福岡(天神)駅のエレベーターがどこかわからん。どうしよ。誰かに道を聞きたいけど……」
そんな困った顔っでスマホを片手に立ち往生してる車いす利用者をみかけたら、「どうしました?」と声をかけられるか―――。
困った人をみかけて、さっと声をかけられるかっていうと、これがなかなか、できないもんだよね。
そんなじれったい状況を、LINEとBeacon(ビーコン)を活用して、スマホでブレークスルーする実証実験が、福岡・博多で始まった。
その名も、街なか手助けサポートプロジェクト「たすけっと」。
移動中に困っている人と、手助けしたいと思ってる人を、スマホで結びつけるというアクション。
この新しい“出会いの瞬間”は、こんな感じで体験できる。Twitterの動画をみてみて。
LINE公式アカウント「&HAND」で、困ってる人と助けたい人がつながる
西鉄福岡(天神)駅改札外周辺エリア、天神地下街、天神エリアのバス停周辺、キャナルシティ博多などで2月1日~3月31日に実施する「街なか手助けサポートプロジェクト『たすけっと』」実証実験。大日本印刷、ミライロ、西日本新聞社などの共同事業。福岡市や福岡地下街開発、西日本鉄道などが協力。 pic.twitter.com/BFDYQs2uGZ
— 鉄道チャンネル (@TetsudoChannel) February 4, 2019
まず、「この実証実験に参加したい」という人は、LINEの公式アカウント「&HAND」(https://dnp-andhand.jp/)にまず友だち登録。
そのとき、自分が「手助けを必要とする側」か、「手助けする側(サポーター)」かを選択する。
このどちらかは、ユーザー登録後に場面に応じていつでも切り替えOK。だから助けてもらいたいとき、助けたいとき、がそのつど選べる。
そして、「&HAND」公式アカウントに、友だち登録している人が各対象エリア(ビーコンエリア)に入ると、そのエリアに入ったことがわかるメッセージがアカウントから届く。
メッセージは、LINEのチャットボット(自動会話プログラム)で行われ、会話形式で質問に答えていくことで、サポートリクエスト(困ってる人)と、サポート意思表明(助けたい人)がつながるってわけ。
地下鉄車内、大阪駅についで3回目のトライ
実はこの実証実験、今回で3回目。1回目は、2017年12月に都内の地下鉄で実施した「立っているのがつらい妊婦と席をゆずりたい乗客をマッチングする実証実験」。
2回目は、2018年8月にJR大阪駅で行った「移動に困った人とサポーターをつなぐ実証実験」。
今回はそれに続く第3弾の取り組みで、初日に現場にいた大日本印刷 &HANDサービスデザイングループ 松尾佳菜子氏のことばが印象的。
「もちろん、ビーコンエリアからGPSエリアへの拡大も視野に入れている。また、困った人の声や、バリアフリーが必要な場所など、データベースなどが蓄積してくるけど、まずは、こうしたツールを通じて、人々が互いに気軽に声をかけられるような心を育んでいきたい」
―――うーん。やっぱり、困ってる人をみても、ちょっとたじろいじゃう自分がいるよね。こうしたツールのちからを借りて、一歩ふみ出る勇気から、さらに無意識にまで変えていければ、いいなーっ。なんて。
あと一歩、背中を押すツールへ_心理的なバリアを解消
福岡市実証実験フルサポート事業に採択されているこの実証実験「街なか手助けサポートプロジェクト『たすけっと』」は、大日本印刷(DNP)、ミライロ、西日本新聞社が事業主体となってスタート。
初日の記者発表には、大日本印刷 ABセンターコミュニケーション開発本部 井上貴雄本部長(福岡出身)、同 情報イノベーション事業部 浜崎克敏氏、ミライロ 垣内俊哉代表取締役社長、福岡市 総務企画局 新穂修企画課長らが登壇。
「福岡の人はちょっと見栄っぱりで、困った人は放っておけない。そんな人たちの性格が、この実証実験でもっと前面に出ればいい」と話していたDNP 井上貴雄本部長(福岡出身)は、最後にこう伝えていた。
「助けたいという思いはあっても、恥ずかしいとか断られたらどうしようとか思ってしまって、あと一歩が踏みだせない。行動の前の心理的なバリアを、こうしたツールで解消し、あと一歩、踏みだせるようにしたい」
<参考リンク>
https://dnp-andhand.jp/
<街なか手助けサポートプロジェクト『たすけっと』>
◆実施期間:2019年2月1日~3月31日 10:00~20:00(予定)
◆場所:西鉄福岡(天神)駅改札外周辺エリア、天神地下街、天神エリアのバス停周辺など