2019年3月の誕生日も九州、肥薩線人吉の古い旅館で迎えました。昨年は長崎で祝っておりました。

一夜明けて3月15日、2018年7月の九州豪雨で被災、運休となっていた筑豊本線原田線(原田〜桂川間)が、半年以上かかって2019年3月9日に復旧したのでこれに乗りに行きました。

筑豊本線原田線は「本線」を名乗る超ローカル線。ウィークデーは、原田発・桂川行は、07:01 09:02 11:00 15:56 17:18 18:25 20:15 21:39の8本しか運転されません。

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前夜泊まった人吉を05:35発の始発に乗れば原田着は09:56、11時発の桂川行に乗れるのですが、早朝過ぎて旅館の朝飯が食べられません。その次の06:40発だと原田着は10:46。11時発には滑り込めますが、人吉駅の朝6時40分にはコンビニ飯しかありつけません。乗り換え時間が短いので途中駅のホームでうどんをすすり込む余裕もありません。

流石に還暦を越えてからは、こーいう「毎朝コンビニ飯、あるいは空腹を抱えてウロウロするのは止めよう」と決めているので、09:30発の特急「かわせみやませみ」熊本行で原田にむかいました。もちろんJR九州の誇る観光列車「かわせみやませみ」に一度乗ってみたかったということもあります。幸い自由席もありますので。

普段は青春18きっぷなので特急に乗ることはないのですが、今回の九州では、各駅停車では身動きがとれないことが多かったのです。

例えば、3月12日は、佐伯から日豊本線で都城に10:50に着きました。鹿児島中央に行きたいのですが、次の各駅停車鹿児島中央行は、何と16:00発。5時間10分も空いてしまうのです。都城駅で便々と5時間過ごすのも気鬱です。

写真は、かつての貨物取扱全盛時代の跡を留める広大な都城駅構内。

しかし優等列車なら、11:06に特急「きりしま9号」、13:13と15:05にも特急「きりしま」鹿児島中央行があるのです。青春18きっぷは使えませんが、「きりしま9号」で鹿児島中央に移動しました。12:26には鹿児島中央着です。

青春18きっぷにこだわるならば、都城から、12:27発吉都線隼人行に乗れば、吉松経由で15:01に隼人に着きます。16:16発の鹿児島中央に乗り換えて15:53に鹿児島中央到着という方法もありました。しかし、この線区は何度も乗っていますし、佐伯から既に5時間近く各駅停車に揺られて都城まできているので、更に3時間半各駅停車に揺られるのもシンドイ。それよりも3時間17分早く鹿児島中央に着いて喫茶店で写真のチェックをしたり、コラムでも書いていた方が良いという判断です。

どのみち、翌々日の3月14日には都城駅から、隼人経由で吉松、しんぺい2号に乗り換えて人吉に向かう予定です。

ことほどさ様に、JR九州では各駅停車の運行本数が少なくなっています。青春18きっぷで何度か九州を旅していますが、以前はここまで極端ではありませんでした。乗り合わせた複数の車掌さんからも、同じ感想を聞きました。

閑話休題。

人吉駅構内の転車台。SL人吉号が運行されているので現役です。

原田駅には13:25に着きましたが、桂川行は15:56。151分もあります。まぁ、仕方が無いので待ちます。

原田駅前にはパン屋とカフェがありますが、何故か、この日は2軒とも電気が消えていて営業中とは思えない状態でした。この時点では太陽がでていました。

2時間半、駅の待合室の自販機でホットな飲料(ちなみに筆者は缶コーヒーが大っきらい!)で便々と過ごしていると15時半頃から暗くなって雨が落ちて降きました。2時間待って、雨! マジっすか〜?

かつて乗った原田線はキハ31でした。この車両は前面展望が撮りやすい。

※2015年8月撮影

この日、雨のホームで待機しているのはキハ40。タダでさえ前面展望が劇的に撮り難いんですよね。望遠レンズで赤線の枠の中を手前の運賃箱の辺りから狙うのです。ハッキリ言ってキハ40の前面ガラスは基本的に汚いしワイパーはありません。

それでも降雨が弱かったので気合いで前面展望を狙ってみました。でも、最良でこのレベルです。筑前内野駅。悲しいなぁ。

開いたドアからは、同じ駅がこんな感じに写ります。

愛知から仕事で出張してきたという男性が、せっかく九州に主張したのだから、と前面展望を「見てるだけです」と言いながら覗き込んでいました。手元にiPadを持ってマップを見ながら、という鉄道ファンです。やっぱり前が見えないですよね〜。とお互いの顔を見合わせて苦笑い。車内は「復旧した原田線に乗りに来た」と思しき鉄道ファンがちらほらいました。

桂川駅でそのまま折返し列車に乗りましたが小糠雨は変わらず。

あちこちで前面展望を撮っていると、こんなコトは時々あります。空模様はどうにもできません。ホテルにチェックインして、熱い風呂で手足を伸ばし、明日の予定でもゆっくり考えましょう。peace

【50代から始めた鉄道趣味】その24 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)