東京都北区赤羽台。JR赤羽駅西口から歩いて2分ほどで、赤羽緑道公園という遊歩道へ。この小道には、線路をイメージしたタイル絵や鉄橋を模した柵、蒸気機関車の動輪を形どったレリーフなどがある。

Googleマップでこの赤羽緑道公園を俯瞰すると、緑道がきれいなS字カーブを描いている。東北線の線路を赤羽八幡神社付近で分岐し、赤羽自然観察公園を左に見て、国立西が丘サッカー場付近へと到達するライン。

この赤羽緑道公園の線上に、東京陸軍兵器補給廠線の線路が敷かれていた。赤羽はかつて、軍都といわれるほど日本軍の施設が集結していた。

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JR東北線赤羽駅の西側、赤羽台や赤羽西といったエリアには、戦中、火薬庫や兵器支廠、被服本廠などが存在し、そこへの輸送用に、東北線から分岐した線路が敷かれていた。

10月15日、赤羽緑道公園を歩いてみると、意外と起伏があることに気付く。いまある大小の勾配が、当時のそのままかどうかは不明だが、当時の蒸気機関車が、貨物列車を引っ張って、こうした勾配を越えていたのか……。

かつての陸軍施設は、広大な団地や学校、公園、競技場などに置き換えられ、現在にいたっている。

レールや鉄橋、動輪のモニュメントを添えて、かつてここに列車が走っていたことを伝えている赤羽緑道公園。現地では、それを伝える資料や説明文は、見当たらない。