鉄道友の会は5月23日、2019年ブルーリボン賞とローレル賞を発表しました。ブルーリボン賞を受賞したのは小田急電鉄70000形「GSE」、ローレル賞に選定されたのは相模鉄道20000系と叡山電車デオ730形「ひえい」。

ブルーリボン賞

小田急の車両が「ブルーリボン賞」を受賞したのは2009年のロマンスカー・MSE(60000形)以来となる通算8度目。GSEは「展望席やスタイリッシュな車体デザインなど小田急ロマンスカーとしての伝統を継承しつつ、最新の設備・技術を惜しみなく導入してユニバーサルデザインの積極推進や環境負荷の低減を図るなど、現代の鉄道車両のトレンドリーダーにふさわしい極めて高い完成度に仕上げられている」ことが評価されました。

ブルーリボン賞は鉄道友の会が前年に営業運転を開始した新形式車両の中から、会員の投票に基づき選考委員会によって最優秀と認められる鉄道車両を選出するもの。ロマンスカー・GSEは有効投票数の約62.8%の会員の支持を得て選出されました。

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同車両は5月25日~5月26日に開催される小田急ファミリー鉄道展でも展示される予定です。

ローレル賞

ローレル賞はブルーリボン賞・ローレル賞選考委員会が選んだ候補車両に対する会員の投票結果を参考にして、選考委員会が審議して優秀と認めた車両に与えられる賞です。ブルーリボン賞と違って一度に複数の車両が対象になることもあり、今回も相模鉄道の20000系と叡山電鉄のデオ730形「ひえい」が選定されました。

相模鉄道の20000系は今年11月に予定されている相鉄・JR直通線の開業、および2022年度下期の「東急新横浜線」の開業を見込み、東急各線への直通運転の仕様を考慮した車両です。

車体長20m級の車両を8両・10両いずれの編成も組成可能なシステムを構築し、東急線との直通運転のため車体幅を従来より狭い2,770mmまで引き絞っています。

外装は9000形リニューアル車両で採用したヨコハマネイビーブルーに、内装はグレートーンに彩られています。車内のLED照明は季節・時間ごとに自動で色調が変化するようになるなど、斬新なデザインやアイデアを取り入れています。

相模鉄道がローレル賞を受賞したのは今回が初めて。

叡山電車の「ひえい」は「比叡山」と「鞍馬山」の持つ荘厳で神聖な空気感や深遠な歴史、大地の気やパワーなどのイメージを「楕円」のモチーフで再現したインパクトのあるデザインが特徴です。

観光列車ではありますが、ロングシートを採用し、通勤通学にも対応。主電動機や台車に京阪電気鉄道5000系の既使用品を利用するなど、保守面にも定評のある車両となっています。

「叡山本線にも新たなデザインの特別料金不要な観光列車を定着させて国内外からの来訪者に対応し、同時に沿線の通勤通学輸送に潤いをもたらすよう貢献している」のが受賞の理由。

叡山電車がローレル賞を受賞したのは1998年の900系展望列車「きらら」以来2回目。