2両編成の電車がわずか1kmの区間をいったりきたりする、東京23区内ローカル線―――東武鉄道 大師線。

その終着駅は、単線1kmのローカル線とは思えないほど立派な構え。

ドーム型の高い天井。3階部分にホーム、2階に店舗、1階に改札口がある。

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この大師前駅からさき、東武東上線と結ばれるはずだった、西板線についてはまた別で記すとして、1階へ。

改札口に、鈍く光るスチール製の箱。有人改札のラッチが並ぶ。

有人改札はあるけど、ここは無人駅。

利用者は、このラッチ脇をスルーして西新井駅を介して電車に乗る。行くのも来るのも、精算は西新井駅構内で。

スチールの鈍い光が、どこか厳か……。

モノトーンの停車場に、オレンジ色の電車がゆっくりと入ってきた。