東京メトロとNTTが協業 CBM技術開発や地下鉄混雑の可視化に向けて

2019.07.30

東京メトロ代表取締役社長:山村明義氏(写真左)とNTT代表取締役社長:澤田純氏(写真右)

東京メトロとNTTは29日、CBM技術開発や東京五輪期間中の地下鉄混雑緩和、東京の魅力・活力の共創などに関する協業に合意したと発表しました。

主なテーマは(1)インフラの安全・安定性の向上 (2)移動の円滑性向上 (3)東京の魅力・活力の共創 の3点。これらについて、保有するデータや技術(経営資源)を掛けあわせることで両社の取り組みをさらに加速するとともに、東京の魅力・活力を高め、働きやすく、暮らしやすく、楽しんでいただける東京を共創するとのことです。

インフラの安全・安定性の向上

東京メトロとNTTはCBM技術開発について協力します。

従来のTBM(”Time Based Maintenance”、時間基準保全)には、偶発的な故障や急激な環境変化による設備故障の発生が予測しづらく、また路線や車両により使用頻度が異なるにもかかわらず、設備寿命から乖離した時期に修繕・更新を行ってしまうといった欠点がありました。

一方でCBM(”Condition Based Maintenance”、状態基準保全)では、地上施設や電車線・軌道、車両装置などの状態データを最新のセンシング技術等を用いて高頻度に取得し、設備状態データを総合指令所等へ伝送。これらを監視・分析することで故障対応支援や故障予知、寿命予測、保全効率化を行います。

東京メトロはCBMの導入に向けた技術開発に取り組んでおり、NTTグループも電柱や管路などインフラの状態把握のデジタルデータ化に努めています。今回の協業では、東京メトロの持つ鉄道保全のノウハウと、NTTの持つIoT技術などを掛け合わせることで、更なるインフラの安全・安定性の向上を目指します。

移動の円滑性向上

2020年東京オリンピック・パラリンピック開催時における列車の混雑緩和は、首都圏の鉄道事業者にとって大きな課題です。東京メトロは増発や駅員の増配置だけでなく、駅間混雑情報の発信や混雑予想などにより円滑な観客輸送の実現を目指しています。

現在、東京メトロは各駅の入出場データを持っており、NTTはドコモの7,800万台におよぶ携帯電話データを利用できます。これらを組み合わせることで駅間混雑度の精緻な予測モデルを作ることが可能になり、駅員などの人員配置の最適化のみならず、旅客へ向けた混雑状況の発信やより最適なルートのご提案などが行えるようになります。

東京メトロの山村社長は、「今回の取り組みによって得られた知見を大規模イベント時の円滑な輸送サービスの実現に向けて提供していきたい」と語りました。

東京の魅力・活力の共創

東京メトロは多様な移動目的、多様なお客様ニーズに対して、様々な交通手段を一元的かつシームレスに提供することで、便利で分かりやすいユニバーサルな移動サービスの実現を目指しています。

その一環として、東京メトロネットワークを補完するモビリティ連携として、通勤・生活・観光などの観点でシェアリングサイクルと連携します。

NTTの澤田社長は「ドコモのバイクシェア利用者は59万人/月、昨年の利用実績は810万回、今年は1000万回を超える規模に到達しつつあり、これをさらに広げてメトロの各駅を起点としたモビリティのネットワークを東京に一緒に構築したい」と話しました。

※記事、写真:一橋正浩


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