蒸気機関車の時代が想像し難い 晩夏鉄道旅顛末記22【50代から始めた鉄道趣味】168
さすがに海鳥の写真をトップ画像に列べるワケにもいかないので、これまでに使ったカットの別バージョン(微妙な角度違いなど)を使ってみます。足りなくなったら使い回します。古い写真は4:3で撮っているので16:9に変換すると車両などが見切れてしまうのです。
陸奥沢辺駅は、かなり海岸から高い位置に駅がありました。ここから下り勾配をおりてゆきます。勾配標は25パーミル。五能線にはこんな急勾配がけっこうありますから蒸気機関車の時代に登ってくるのは、かなりしんどかったと思います。300馬力に機関換装されているキハ40系でも轟音をたててノロノロと上がっていきますから。
しかも勾配区間が長いのです!
・・・といきなり視界が開けました。弁天島が見えるので左手に陸奥岩崎駅があります。
海が見えたのは一瞬でした。気が付くと線路が奇妙な曲がり方をしています。駅ですね。
陸奥沢辺駅から2.7kmで陸奥岩崎駅。相対式ホーム2面2線だった時代の上りホームが左側に草に覆われて残っています。手前のポイントは横取り式になっています。
駅名標と駅舎。1932年(昭和7年)鉄道省の駅として開業しました。2005年(平成17年)までは簡易委託駅でしたが2005年(平成17年)完全に無人化されています。駅舎は1956年(昭和31年)に改築されています。割りに最近屋根など部分的に改修された様です。見た目がキレイになっていました。駅舎内に広い待合室があります。
またまた下り勾配。勾配標の数字が読めません。他の写真で確認したら9パーミルでした。見た目ほど急勾配ではない様です。
ようやく海面に近い高さまで降りてきました。尖った岩は十二湖海浜公園の横にあります。名称などは未詳ですが、妙に魅力的な岩だと思いませんか。ちょうど岩の背後の森の中に十二湖駅があります。
海のすぐ近くを走っていますが先程見た様に鉄道林の木々があって五能線から海は見えません。十二湖駅の駅予告票です。
十二湖駅です。陸奥岩崎駅から4.3km。
うひゃ~! ホームにカメラを構えた観光客が溢れています。また「五能線短時間乗車ツアー」でしょうか。
前のツアーは、千畳敷駅~深浦駅間の約30分、乗車しました。十二湖駅から30分だと・・・結局この団体さんは33分乗車して※「あきた白神駅」で一斉に降りました。ほぼ全員が中国語を話す方々のツアーでした。
※実際は30km/hの速度制限運転をしているのでそれよりも長い時間がかかっています。
世間では中国人観光客のマナー云々がしばしば取り沙汰されますが、この日最初に出会った日本人ツアーよりもはるかに礼儀正しくてもの静かな団体さんでした。正直言って好感を持ちました。
(写真・記事/住田至朗)