国土交通省(国交省)は、地方鉄道むけ無線式列車制御システムの仕様標準化の検討を始める。

委員会名は、「第1回 地方鉄道向け無線式列車制御システム仕様標準化評価委員会」。メンバーは学識経験者、鉄道事業者、関係団体、研究機関、鉄道局で構成。

首都圏などの鉄道で導入が始まっている無線式列車制御システムを、経営の厳しい地方鉄道でも同様のシステムが導入できるよう、仕様標準化にむけた検討していく。

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国内の人口減や高齢化で鉄道利用者や働き手が減少し、また鉄道施設の経年劣化もすすむ昨今。既存施設の有効活用を図りながら、鉄道の運営や施設の維持管理の効率化・省力化を可能とし、利用者の利便性の向上にも資する鉄道分野での生産性革命をすすめる構え。

平成30年7月「鉄道の輸送トラブルに関する対策のあり方検討会」では、「鉄道の電気設備等(特に電路設備、信号保安設備)は、部品点数が多く、保守点検が手間」「少子化により保守点検に携わる技術者の人材確保が困難」「無線式列車制御システム等の導入推進のための仕組みづくりを位置付け」といった項目がとりまとめられた。

今回の検討では、経営の厳しい地方の鉄道事業者も導入できるような、無線等を活用した運転保安(信号等)システムを開発することで、信号機や軌道回路等の地上設備の削減でき、地上設備の保守点検が効率化・省力化できることをめざす。

写真 記事:鉄道チャンネル編集部