トップ画像は、函館市電8000形電車。1990年代に800形の車体を更新した形式です。10両が運行されている主力車種です。何故、こんな中途半端な写真を出すのか? と問われるかも知れません。単純に函館市電は全車広告ラッピング車両なのですが、更新中なのかこの8007号は真っ白なボディだったのです。それで登場しました。

出発点はJR函館駅から徒歩で3-4分の函館駅前停留場です。

ここで函館市電の歴史を簡単に振り返っておきます。1897年(明治30年)亀函(きかん)馬車鉄道が弁天町(後の函館どつく前)~東川町(後の東雲町)で開業したのが始まりです。1898年(明治31年)函館鉄道(函館~湯川間未開業)と合併し函館馬車鉄道に改称。1911年(明治44年)函館水電が函館馬車鉄道を買収。1913年(大正2年)東雲町(後の労働会館前)~湯川間が電化されました。北海道初の路面電車の誕生でした。弁天町(後の函館どつく前)~東雲町間も電化されます。1934年(昭和9年)函館大火で電車48両と新川車庫が焼失。帝国電力に改称。焼失した新川車庫に換わる駒場車庫が完成します。1940(昭和15年)帝国電力が大日本電力と合併。1943年(昭和18年)大日本電力が電車(バス)事業を道南電気軌道に譲渡。同年、函館市に譲渡され函館市役所交通局が発足しました。1952年(昭和27年)公営企業として函館市交通局が新たに発足。2011年(平成23年)函館市水道局と統合され函館市企業局交通部になりました。

ADVERTISEMENT

最盛期には6路線12系統で17.9kmの路線がありましたが、乗客減少で経営状態が悪化、現在は4路線2系統10.9kmを運営しています。

※函館市のサイトから借用しました

軌間は、珍しい1.372mm(馬車軌間)です。そもそもは東京市電への乗入れのために1.372mmを採用した京王電鉄京王線が珍しいのですが、都営地下鉄新宿線は京王線との相互乗り入れのためにこの軌間です。東急世田谷線、都電荒川線も馬車軌間です。

停留場は26あります。起終点の終端部を除けば全線複線。全線直流600ボルトで電化されています。

函館駅前停留場から十字街方面を見ています。

湯の川行電車が来ました。700形電車719号です。

運転席の後ろに陣取りますが前面展望撮影のポジションが無い!

どうにかポジションを探しつつ。函館の街です。

松風町停留場の手前で左にカーブして北東に向かいます。

曲がった途端に停留場。間に合わない!松風町停留場。函館駅前停留場からは500m。1913年(大正2年)大門前として開業。1945年(昭和20年)松風町停留場に改称。2017年(平成29年)改築された新しい停留場です。停留場内に渡り線があります。

山が見えて良い感じです。次の停留場も見えます。

400mで新川町停留場。交差点を挟んで上下ホームがあります。1913年(大正2年)開業です。

意外に歩いている人がいませんね。冬は雪が降るエリアですが、まだ夏前の6月です。

では、【私鉄に乗ろう100】函館市電03 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)