さて緑園都市駅に来るにあたって楽しみにしていたことがあります。建築家の原広司さんのデザインした相鉄文化会館を見たかったのです。原広司さんは、ガメラが『ガメラ3 邪神覚醒』(1999年)で壊した京都駅を設計・デザインした方です。

さらに原広司さんの研究室(東大生産技術研究所)出身の山本理顕さんのデザインしたビルを、緑園都市駅の近くで数棟まとめて見ることができます。山本理顕さんは、横須賀美術館を設計デザインした建築家です。

たまたま筆者の父親と弟の職業が建築設計なので、子供の頃から父親のデザインした一風変わった家で育ちましたし、弟の学生時代の課題設計など手伝わされた経験もあります。家に転がっている建築雑誌などを眺めたりして建築にはホンの少し詳しいのです。筆者自身、学生時代の専門が西洋美術史だったので建築(主にロマネスクやゴシックなどの教会建築でしたが)もオベンキョしました。

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個人的にはルネサンスの建築家アンドレーア・パッラーディオ(1508-1580)の静謐・端正が大好きで、かなわぬ夢は、金閣寺とヴィラ・ロトンダを行ったり来たりして暮らすことです。(アホか?)

余談が長いなぁ。すみません。

さて、早速緑園都市駅の近くをウロウロします。まずは東口から東に向かう所に山本理顕さんデザインの「オベリスク(OBERISK/1993/山本理顕設計工場)」(右手前)が道の南側にあります。駐車場、店舗、オフィス、共同住宅。間に一棟はさんで「ロッジア(LOGGIA/1993/山本理顕設計工場)」も見えています。店舗とオフィスです。

道の北側には「ジスタス(XYSTUS/1992/山本理顕設計工場)」、建築デザインの論評はしませんが、シンメトリカルなワリにはディテイルがノイジーで、むしろ破調が全体を奇妙に統合していて直観的には「愉快」です。郵便局が1階の左手前に入っています。他に店舗、共同住宅、駐車場。

「ジスタス(XYSTUS)」を東側から。左奥に緑園都市駅がチラッと見えます。

これが「ロッジア(LOGGIA)」、残念なのは、建築のファサード、ガラスが広告看板の表示場所になっていることです。デザイナーは、現状にちょっと悲しくなっちゃうかも。

緑園都市入口交差点を左に折れて北上すると右(東)側に原広司さんデザインの相鉄文化会館が見えました。

個人的には「小さいなぁ」、原広司さんの風変わりな意匠をちりばめるには「もっとデカい方が視線が拡散して美しく見える」と思いました。よくも悪くも「こぢんまり」した印章でした。弟子筋の山本理顕さんの方が遥かに端正に見えます。

長くなっちゃうので、続きは次回。【駅ぶら02】相模鉄道35 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)