「WEST EXPRESS 銀河」報道公開 「カジュアル」に「移動」する長距離列車が5月8日デビュー

2020.01.25

報道公開された「WEST EXPRESS 銀河」

2020年1月25日(土)、大阪の吹田総合車両所にてJR西日本の新しい長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の報道公開が行われました。

【参考】
117系ベース夜行特急 WEST EXPRESS 銀河 は伯備線経由 京都大阪―出雲市 で2020年5月から運行開始
https://tetsudo-ch.com/9904228.html
車窓みて飲んで食べてゴロゴロして、117系夜行特急 銀河 は普通列車乗り継ぎよりも……【6両各スペースイメージ画像アルバム】
https://tetsudo-ch.com/9905438.html

「WEST EXPRESS 銀河」の開発に至る経緯を説明するのは、JR西日本の営業本部担当部長の財剛啓さん。西日本の定住人口の減少は大きな課題として認識されており、JR西日本はこれに抗う地域活性化の取り組みのなかで、交流人口を増やすために新たに長距離観光列車を導入します。

「WEST EXPRESS 銀河」は「瑞風」のような観光列車とは異なり、移動・食事・観光といった全ての要素をトータルでパッケージングして提供するスタイルは採りません。重点を置くのは鉄道の原点とも言える「移動」であり、その方向性については「多様性」「カジュアル」「くつろぎ」の三つのキーワードで説明しています。

「多様」な旅のスタイルに対応できるように複数の種類の座席を設置。複数の区間を運行することで西日本エリア内の様々な方面への旅行需要を喚起します。価格設定は気軽に鉄道の旅を楽しめるよう「カジュアル」なものに。快適性の高い落ち着いた車内空間を提供し、座席配置も車窓から沿線の景色を楽しめるように工夫。乗客に思い思いに使っていただけるフリースペースも設置して「くつろぎ」を提供します。

運賃料金例 新たに設定されるグリーン個室の料金もかなり低く抑えられている

「WEST EXPRESS 銀河」は2020年5月8日からまずは関西〜山陰を走る夜行急行列車として、続く2020年10月〜2021年3月ごろまでは2020年秋の「せとうち広島DC」にあわせて関西〜山陽を走る昼行急行列車として運行します。その後の予定はまだ決まっていませんが、今後も半年ごとのスパンで他の方面へ運行したり、また週ごとなど短いスパンで行先を変えるような柔軟な運用もできれば、と方向性を示唆されました。

WEST EXPRESS 銀河外観

銀河のヘッドマーク付き
車両側面には銀河のロゴマーク
各号車の側面表示も異なります
行先表示器が細かい「特急 WEST EXPRESS GINGA」

細かいポイントですが、117系をベースに改造しているためモーター音は大きめだそうな。鉄道ファンの中にはサンライズ瀬戸・出雲で移動する際に眠りながらモーター音を聞くためわざわざ「ソロ」を選ぶ、といったつわものもおりますが、より広い層にアピールするなら音の対策は欠かせません。「WEST EXPRESS 銀河」ではコンプレッサーを変更して音を小さくするなど細かい工夫を重ねているとのことです。

WEST EXPRESS 銀河内装

デザインを担当した川西さん

内装デザインを担当したのは株式会社イチバンセン代表取締役、「えちごトキめきリゾート 雪月花」なども担当した川西康之さん。まずは寝台と座席から順にその腕の冴えを見ていきましょう。

6号車グリーン個室 シートを倒してフルフラットに 車窓は眺めを楽しむため2枚分の大きさを確保
5号車のノビノビ座席 「サンライズ瀬戸・出雲」のそれとは異なる
5号車の広々とした車椅子スペース対応席
3号車の普通車指定席は定員20名
2号車は女性用普通車指定席はジグザグに配置されている
クシェットも女性用ということでカラーリングが異なる
1号車のファーストシート 昼行は16席で販売する
2つの座席を倒して簡易寝台に。このため夜行時は定員8名に

1号車にはラウンジ、3号車と6号車にはフリースペースが配置されており、4号車に至っては丸ごとフリースペースに。

各フリースペースにはどこかで聞いたような名前がつけられている
4号車は丸ごとフリースペースに。チェスやオセロ、囲碁・将棋も楽しめる
車内販売はないが、地域の方々に乗り込んでいただいて特産品の販売なども行う。ちょっとしたイベントスペースにもなるようだ
1号車のグリーン車利用者用ラウンジ

実に居心地の良さそうな列車です。1泊2日と言わず2泊3泊のんびり旅をしたいですね。

「WEST EXPRESS 銀河」のデザインにあたっては天井の高さが2100mmしかないなど、117系をベースに改造するがゆえの制約もありました。その辺りの細かい話については突っ込んだところまで聞いてきたので、また後日別記事にて詳細をお届けします。

記事/写真:一橋正浩

※2020年1月29日 12:06頃 一部誤字を修正しました。

※記事初出時、117系の天井の低さゆえに「サンライズのノビノビ」ではなくクシェットを採用したと取れる記述がありましたが、改めて取材内容を見直すとどうも主旨がズレているように感じられたため当該の記述を削除しました。詳細につきましては2020年2月1日付の記事をご覧ください。


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