ヘッドマークもりりしい「ブルートレイン急行」(画像:大井川鐵道)

特急への格上げや快速への格下げで、現在はほぼ〝絶滅危惧種状態〟なのがJRの急行列車。ところが、今も客車急行列車が健在なのが静岡県の大井川鐵道(大鉄)だ。

大鉄は2026年1月13日から、ELけん引急行列車の運転を再開。2025年6~10月に好評だった「ブルートレイン急行」を復活させる。

【参考】
元西武の電気機関車がブルートレイン思わせる「国鉄色」塗装に 大井川鐵道(※2025年3月掲載記事)
https://tetsudo-ch.com/12998969.html

先頭に立つEL(電気機関車)は国鉄時代、ブルートレインけん引機のエースだったEF65に見立てた大鉄のEL。EFに比べやや小ぶりながら、外装はブルーの基調色にアイボリーの帯をまとう。

今回の新登場が後続の客車。国鉄、JRの客車急行に使用され、2025年11月に大鉄入りした12系客車が編成を組む。

ブルトレ風ELにお色直しされたのは、元西武鉄道のED31 4。ブルトレ急行の編成は「ブルトレ風EL+12系客車+従来型EL」、「従来型EL+12系客車+従来型EL」、「ブルトレ風EL+旧型客車+従来型EL」の3種類。どんな列車が来るのか分からない、ミステリー列車仕立てのお楽しみポイントを加えた。

運転区間の基本は、下りが金谷発川根温泉笹間渡行き、上りが川根温泉笹間渡発新金谷行き。ダイヤは金谷発10、12、15時、川根温泉笹間渡発11時、13時17分、16時4分の1日3往復。川根温泉笹間渡発11時だけは金谷行きで運行する。

さらにJR東海道線接続便として、新金谷発14時45分の金谷行きを急行券不要の普通列車として走らせる。

急行列車には「すまた」、「かわかぜ」、「奥大井」の愛称名。列車名は大井川鐵道ファンクラブからの公募で決定した。

ダイヤと運行区間(資料:大井川鐵道)

キャッチフレーズは、「乗り通したくなるリアルな客車旅」。大鉄は「昭和後期生まれの12系客車と、昭和初期製の旧型客車が日替わりで登場。ELが客車の先頭に立つような、しっとりした昭和の旅情を味わってほしい」とPRする。

ブルトレ急行は全車指定席で、運転期間は2026年1月13日から当分の間。なお、大鉄の人気車両、〝黒いSL〟ことC10 8は車両改造のため当分の間運休する。

記事:上里夏生

【関連リンク】