全人口のうち21%が65歳以上の世を「超高齢社会」っていうけど、ニッポンはいま、65歳以上が全人口の何%を占めているか、知ってる?

その数、なんと29%。しかもさらに驚くのは、2025年には30%、2060年には40%に達すると!

街を行く人のおよそ半分が、65歳以上という、信じがたい光景が40年後には広がっている……。

この数字からもわかるとおり、これから「突然の別れ」に遭遇するシーンが多くなる。当然、葬儀に直面する機会も増える。

そこで今回、超超高齢社会へとむかっていくニッポンの葬儀事情とそのトレンドについて、「ガイアの夜明け」(テレビ東京系列)などにも出演する小林和登 東京フラワーセレモニー専務取締役 に聞く。そこで出てきた衝撃事実は……!?

家族葬というトレンドから波及するショート化

小林和登氏はまず「超高齢化で足腰が弱くなった親類や友人、関係者たちが増え、2日間、お通夜と告別式を行うのが難しいという背景がある」と。そして葬儀業界に起きているトレンドについてこう教えてくれた。

「まず火葬場の予約は葬儀屋じゃないとできないんですね。でまず、火葬場の予約・スケジュール調整から始まって、たとえば病院で亡くなられたら、故人を病院から自宅まで運ぶ寝台車を手配します」

「ここでリクエストが多いのは、冷蔵庫。故人を自宅に安置するのではなく、冷蔵庫でいったん預けるという流れです。これは、家族葬が増えているのが原因。葬儀屋が黒い礼服や黒いクルマで故人の自宅に出入りすると、亡くなったことが近所に知られてしまうからです」

「だから、家族葬でできるだけ地味に済ませたいという人は、打ち合わせなども稀にだけど『普通の格好で来てほしい』『黒いクルマなどではなく普通のクルマで』『GパンTシャツで来てほしい』とオーダーする人もいます」(小林和登氏)

こうした家族葬のトレンドから波及するのが……!?

都市部で広がりをみせる一日葬の衝撃事実

家族葬というトレンドから波及し始めているのが、「一日葬」。この一日葬とは、通夜・告別式の一般的な2日間セットの通夜をカットし、1日で火葬まで済ませる葬儀形式。ここで小林和登氏が「でね、ここが肝!」と大きな声でいう。

「通夜をカットしたところで、半額ぐらいに葬儀代がどかーんと安くなることはない。まず、世の中の斎場が1日で貸してくれるところってないんですね。一般的に通夜・告別式の二日間でワンセットなんです。だから1日借りても2日間分の料金がかかります」

「これはお寺やお坊さんも同じ。1日でも2日でもやることは変わらないので、お布施の金額は大きく変わりません。しかも、お布施をもらうお寺側も、檀家(布施を寺に払ってその寺に属し財政を助ける家)のリクエストにあわせて動くようになったので、葬儀ショート化は都市部で加速化しています」

「もちろん、親類や地域の人たちとのつながりを大切にする地方の人たちは、『通夜をカットするなんて何を言ってるんだ!』っていう人もまだまだ多いと思います。でもこうしたショート化の流れは都市部では確実に波及していますね」(小林和登氏)

―――超超高齢化で都市部で広がりをみせる一日葬。東京・小金井に本社を構える東京フラワーセレモニー 小林和登 専務取締役は、「コストを下げるのであれば別の手がある。いろいろな面で葬儀社に相談してほしい」とも伝えていた。