新型コロナウイルスの影響を受けて延期されていた「富良野・美瑛ノロッコ号」の運行が約1ヵ月遅れて開始されました。本年は富良野線開業120周年記念として、スタンプラリーなど特別企画が用意されています。今年度初運転となる7月18日に富良野・美瑛ノロッコ1号に乗車しました。

富良野・美瑛ノロッコ号の概要

富良野線全線開通120周年記念ヘッドマークを装着

富良野・美瑛ノロッコ号は、JR北海道が富良野線で運行している観光列車です。1989年に運行を開始した「くしろ湿原ノロッコ号」が好評なため、富良野・美瑛エリアへの観光客誘致として1998年に運行を開始しました。ディーゼル機関車のDE15がけん引し、現在活躍している機関車は3代目になります。ラベンダー畑と春小麦畑をイメージした特別塗装が施され、今年は富良野線開業120周年を記念したヘッドマークが取り付けられています。

バック走行に対応するために客車に設けられた運転席

客車はオハフ51をベースにオハテフ51、オクハテ510に改造されています。富良野方面に進む際は客車が先頭になるため、オクハテ510-2には運転台が設けられています。

1号車には石炭ストーブが鎮座

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客車は3両編成で1号車には達磨ストーブが設置されています。「夏季にしか運行しない富良野・美瑛ノロッコ号になぜ?」と不思議に思いJR北海道広報に尋ねたところ、釧路ノロッコ号で使われていた車両が流用されているそうです。

自由席の車内

1号車と2号車は指定席、3号車は自由席。ボックス席と窓側に一列に配されたシートが基本構成です。2020年は新型コロナウイルス拡散防止のため、指定席は例年の6割の販売にとどめられています。

富良野線全線開通120周年記念企画

富良野線全線開通120周年を記念してパネル展を開催

旭川駅は1898年7月16日に北海道官設鉄道上川線の駅として開業しました。翌年9月1日には、北海道官設鉄道十勝線(現在の富良野線の一部)が開業しています。かつては「あさひがわ」と呼ばれていた時代がありましたが、1988年に市名と同じ「あさひかわ」に統一されました。旭川駅南口コンコースでは「富良野線全線開通120周年」を記念してパネル展を開催。これまで実施された富良野・美瑛キャンペーンや、富良野・美瑛ノロッコ号の歴史を紹介しています。

抽選で12名にJR富良野線全線開通記念ピンバッジが当たる

富良野・美瑛ノロッコ号運行期間中にスタンプラリーを開催。旭川・美瑛・上富良野・中富良野・富良野の5駅のスタンプを集めて応募すると、抽選で120名に記念品が当たるほか、そのうち12名にJR富良野線全線開通記念ピンバッジが入っています。今年限りの超レアなグッズは誰の手に渡るのでしょうか。

旭川駅のスタンプ台はパネルそばにありますが、スタンプ用紙は少し離れた北口近くの観光物産情報センターに置かれていますのでご注意ください。

大勢に見送られて出発

富良野・美瑛ノロッコ1号車は約150人の乗客を乗せて午前10時に旭川駅を出発。市の職員ら約20人に見送られながらホームを後にしました。開け放った窓から吹き込む風を浴びながら、約1時間半かけて富良野を目指します。

【2020年の運行】
7月18日(土)~9月22日(火・祝)の土休日

【運転区間】
1号 旭川(10:00発)~富良野(11:31着)
2号 富良野(12:02発)~美瑛(12:50着)
3号 美瑛(13:09発)~富良野(13:57着)
4号 富良野(14:05発)~美瑛(15:00着)
5号 美瑛(15:13発)~富良野(16:02着)
6号 富良野(16:11発)~旭川(17:45着)

文/写真:吉田匡和

「田園風景の中をのんびり・ゆっくり走る 富良野・美瑛ノロッコ1号乗車紀【2】」は2020年8月2日(日)9時頃の掲載を予定しています。(鉄道チャンネル編集部)

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