JR西日本は近畿エリアの主要線区を対象に10分~30分ほど終電を繰り上げ、約50本の列車を削減する。

深夜帯ダイヤを見直すきっかけは、保守作業員の減少および利用状況の変化。

線路などの保守作業は終電~始発までの限られた時間で行うため、終電が遅いほど作業時間は圧迫され、作業日数を確保する必要に迫られる。休みがとりにくい状況では働き手も減り、働き手が減ればますます休みがとりにくくなる。

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この悪循環を止めるためには、終電~始発までの作業時間を伸ばすことで作業効率化・作業日数低減を図り、労働環境を改善しなければならない。利用者の帰宅時間も早まっており、もともと少なかった深夜帯の利用時間も減少している。

近畿エリア沿線の利用者を対象とするアンケートでは、終電繰り上げに対する反対は2割~3割程度だった。「私鉄と同じ時間ぐらいまでの運行」「最終新幹線の接続確保」といった条件で再度アンケートをとったところ、反対は1割に満たない程度にとどまった。

こうした状況をふまえ、JR西日本は東京方面からの最終新幹線(新大阪23:45着)の接続をなるべく確保したうえで、深夜帯ダイヤの見直しに踏み切る。本年9月に線区毎の具体的な時刻等を公表し、2021年春のダイヤ改正で実施する。

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鉄道チャンネル編集部