楽天東急プランニングが実証実験を計画する世田谷区二子玉川 イメージ写真:PIXTA

東急と楽天は、新しい生活様式に伴う消費行動の変化などを探る新会社「楽天東急プランニング」を設立し、1日から事業開始した。東急電鉄のほか、東急ストア、東急百貨店、東急ホテルズなどに実店舗を持つ東急はオフライン、インターネットショッピングの楽天はオンラインというテリトリーの違いがあり、オン、オフの境界を超えた消費行動を探ることで、新しいビジネスチャンスの創出を狙う。

ここ数年、ICT(情報通信技術)の進展でネットショッピングやキャッシュレス決済といった社会変革が発生、コロナ禍に伴うリモートワーク普及をはじめとする新しい生活様式は、変化を加速させる傾向にある。東急電鉄の持ち株会社に当たる東急は鉄道、流通、宿泊などでオフライン事業を展開してきたが、楽天との協業でオンラインのノウハウを獲得し、さらなる成長につなげる。

7月30日に設立された新会社は資本金2000万円で、出資比率は楽天51%、東急49%。楽天出身の笠原和彦社長が経営トップを務める。楽天は、東急が「日本一働きたい街」を標ぼうする世田谷区二子玉川に本社機能を構え、新会社も二子玉川の楽天クリムゾンハウスに本社を置く。

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今後は、東急ストアでの楽天のデータ分析技術を活用した潜在需要把握から事業開始。二子玉川エリアでは、購買行動とデジタルサイネージの関連性検証などの実証実験を構想する。

文:上里夏生