Nゲージ・HOゲージ鉄道模型ブランド KATO(カトー)を手がける関水金属は、日立製 英国鉄道クラス800 LNER GWRを1/148スケールで製品化。2021年5月に発売する。

イギリス鉄道 Class 800(クラス800)は、最新鋭の都市間輸送用バイモード(ハイブリッド)車両。イギリスIEP(都市間高速鉄道計画)の従来車 HST(ディーゼル高速列車)を置き換える。

電化・非電化の両区間をバリアフリーで走行できる形式で、電化区間は、従来通りパンタグラフから集電しモータを回して走行。非電化区間ではエンジンと発電機ユニットで電力を送りモータを回して走る。

ADVERTISEMENT

製造は、日立製作所笠戸事業所など。同社のA-Trainシリーズのコンセプトのもと、日本で培った技術を英国鉄道システムに適応させ開発した。

カトーは、英国の主幹線であるGWR(グレート・ウエスタン鉄道)とLNER(ロンドン・ノース・イースタン鉄道)で活躍中の編成のうち、5両編成を英国標準の1/148スケールで製品化。

先頭部連結機構を装備し、実車で見られる5+5両の10両編成も再現できる。

価格は英国鉄道Class800/0 GWR 5両セットが2万2500円。英国鉄道Class800/2 LNER“AZUMA” 5両セットが2万3700円。

衝突安全性、空力性、生産性、そして日立らしさをデザインに

日立製 Class 800 のデザインは、走行環境が日本国内と異なる英国で、規格の違いを乗り越え、使いやすさや現地利用者の生活・文化に溶け込む車両の美しさや快適性などを考慮したつくりに。

衝突時に運転士を保護するサバイバルゾーンの確保と、衝突時の減速度が規格で規定されている欧州。この規格を満たすべく衝撃吸収体など複数の部品を採用するうえで、これらの部品を車両先頭部に収納しようとすると、ボディーの外に張り出し、スピード感のある美しさや空力性能を阻害してしまうという課題があった。

この Class 800 では、部品の小型化や設置角度を工夫することで、空力性能を損なうことなくボディーからの飛び出しを抑えた滑らかな外観を実現した。

また英国規格では、重要なヒューマンファクターとして運転士の視界の確保に加え、同乗する助士の視界の確保も求められていることから、Class 800 では、運転士と助士の視界を確保しながら、高速車両に求められる軽量化を実現。生産性も考慮したウインドスクリーンをデザインした。

さらに英国規格にある、接近する列車の視認性を高めるため、車両の先頭に1平方メートル以上の黄色い面(警戒色)を設ける必要があった。

Class 800 では、先頭部分に2本のキャラクターラインをデザインし、このライン間に黄色い面を構成することで、さまざまな運行会社に提供しても、車両前面の特徴的なデザインを日立のアイデンティティとして提示でき、統一感を示せるようにした。