1970(昭和45)年から川崎重工業でつくられてきた京阪電気鉄道 通勤形電車5000系。

ラッシュ時の混雑緩和と、乗降時間の短縮を目的に、片側5ドアを日本初採用したユニークな車両として注目を集めたこの5000系もその数を減らし、営業運転から退く時期をむかえている。

京阪5000系の特徴はなんといっても、そのドア数と座席のしかけ。オール5ドア車両で、客が少ない閑散時間帯は2ドアを閉め切り、ドア上に格納していた座席が降りてきて、両脇にあるロングシートと一体となった長ロングシートをつくるという点。京阪でいう「座席定員を増やすという離れ業」があった。

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そのほか、京阪初のアルミ合金製車体、集約分散式ユニットクーラ、ヒートポンプ式クーラによる暖房、全電気指令式ブレーキ装置、IC無接点制御装置など、数々の新技術を採用したモデルとして、ファンの注目を集めてきた。

1997年からは、内装を一新し、バリアフリー化、制御装置の8M1C・添加励磁・回生ブレーキ化など、車体改修工事を実施し、中身も走りも時代に合わせて更新してきた。

現在は7両編成4本の28両が活躍。その4本すべてに、グリーン基調の円形ヘッドマークがつく。

今回のヘッドマークは、京阪5000系のイラスト、50thの文字、5つのドアが描かれ、外周を「Keihan Railway 5000 series Since 1970」という文字でつなげたデザインに。