線路と道路の両方(デュアル)を走れる新しい乗り物、デュアル・モード・ビークル DMV が、地上から線路に入線し、練習走行を始めた。

現場は、阿佐海岸鉄道 阿波海南駅。ここには、地上と線路の境界、自動車と鉄道をモードチェンジするモードインターチェンジがある。

2020年12月、「練習中」と掲出した DMV 3台が、阿波海南駅に集合。道路から線路に乗って鉄路を走行する、初オンレールの姿があった。

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3台の DMV は、阿波海南駅前の工事中未舗装路(砂利道)までをタイヤで走り、コンクリート製のモードインターチェンジ(スロープ)にゆっくり進入。レールの位置に車体をあわせ、タイヤの前後(前1軸+後1軸)につく鉄車輪がおりてきて、鉄道モードに。

レール走行モードでの駆動は、後輪タイヤがレールに接地することで実現。前輪タイヤは線路と接しず浮いたまま、前の鉄輪がレールに乗って軌道上を走る。

「今回は、性能試験を開始する前に、基本機能などがレール上の走行時でも適正に動作するかを確認。DMV車両にとっては『初めの一歩』」

「阿波海南駅を出発して10メートル先を時速10kmで走行し、バックで帰ってくる動作を2回」

「海部駅は工事中なので、町内トンネル前までを30km走行し、バックでゆっくり帰ってくる動作を2回」

「まだまだ課題は山積みですが、とりあえず初オンレールは無事行うことができました」(阿佐海岸鉄道)

また、阿佐海岸鉄道の運転士も「DMVのバスモードでの走行練習を開始した」という。

「海陽町、東洋町、たまに室戸市までDMV車両が走行しているので、見かける確率も高いかと思う」

練習走行では、ダイヤ案にあわせたスピードやアナウンスなどの操作を確認しながら走るという。

(画像:阿佐海岸鉄道)