JR西日本は、第4種踏切の踏切ゲートをてつでん・サンポールと共同開発。2月中旬~3月下旬に山陰線 長門三隅~長門市にある中山第1踏切(山口県長門市)で現地試験を行う。

JR西日本が公表した上の画像は、第4種踏切の踏切ゲート設置前と後のイメージ。

第4種踏切道は、「遮断機や踏切警報機の設置状況により、踏切は3種類に分類され、遮断機と踏切警報機のいずれも設置されていない踏切」(JR西日本)。

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JR西日本が公表した下の画像は、2020年11月、広島県の第4種踏切で発生した事故直後のようす。この事故では、列車が踏切の約110メートル手前にきた時点で、自動車が進入してきたという。

第4種踏切のこれまでの抜本対策は、踏切そのものをなくす「廃止」や、遮断機・踏切警報機を設置する「第1種化」。この2つの対策は、多額の設備投資と周辺住民との同意に時間がかかった。

暫定対策として、車両の通行を規制する「交通規制杭の設置」や、一時停止を促す「カラー舗装化」、見通し距離を確保する「防草コンクリート化」などを実施しているものの、なかでも交通規制杭は、農耕車が通行するため設置できないなどの課題があった。

そこで新しく開発したのが踏切ゲート。この踏切ゲートは、手前での物理的な一旦停止と左右確認を促し、直前横断に起因した事故を防ぐことを目的としたもの。

物理的に一旦停止を促す常時遮断式で、農耕車など軽車両から降車せずに押し開けが可能な水平開閉式を採用。

通行者の取扱いを最小限とした半自動式で、押し開け後には、一定時間ホールドできる仕様に。アーム形状は引っかかり防止を考慮したもの。

第4種踏切の77%が自動車の通行できない踏切であることから、同社はゲート設置に理解を得られると考えられる自動車通行不可の第4種踏切をゲート設置対象としていく。

まずは2月中旬から約1か月間、山陰線 長門三隅~長門市にある中山第1踏切(山口県長門市)で試験し、この現地試験結果をふまえて今後の展開について検討していく。