東小浜まで北上、日本海沿いに西進

北陸新幹線から山陰新幹線が分岐する東小浜駅は現在は典型的なローカル線の駅です。(写真:うげい / PIXTA)

発駅は新大阪で、学研都市線(片町線)と接続する松井山手を経て、京都から東小浜(JR小浜線との接続駅)まで北上。ここから西方に向きを変え、西舞鶴、岩滝口、豊岡、湯村温泉、鳥取、倉吉を経て米子に至ります。

駅位置は未定で、駅名も仮称ですが、西舞鶴でJR舞鶴線とWILLER TRAINS(京都丹後鉄道)、岩滝口でWILLER TRAINS、豊岡でJR山陰線とWILLER TRAINS、鳥取でJR山陰線と因美線、倉吉と米子でJR山陰線に接続します。湯村温泉は在来線になく、実現すれば新幹線単独駅になります。

図は鳥取県での決起大会の資料なので米子止まりですが、米子―松江間は30kmちょっとなので、米子止まりは多分なく松江までの開業になるでしょう。

東京発金沢、福井経由鳥取行きの可能性も

図で注目してほしいのは新大阪―東小浜間で、これは2017年3月に決まった北陸新幹線の新大阪延伸ルートと同じ。つまり山陰新幹線は新大阪から北陸新幹線を逆走し、東小浜で分岐して鳥取や松江に向かいます。既設の新幹線でも上越新幹線は大宮、北陸新幹線は高崎と、途中駅からの分岐です。

列車はおそらく、新大阪発鳥取・松江行きといった運行形態になるでしょう。でも北陸新幹線と線路がつながっているので、例えば東京発金沢、福井経由鳥取・松江行き「かがやき」(この列車名は絶対にないでしょうが)なども考えられます。

北陸新幹線の延伸開業で街の新しいシンボルになったJR金沢駅兼六園口の鼓門。この駅に「鳥取・松江行き」列車が走る日は来るのか。(写真:宗 / PIXTA)

かつて北陸の金沢や富山は関西とのつながりが強かったのですが、2015年に北陸新幹線が開業すると東京方面から多くの観光客が訪れるようになりました。北陸新幹線の開業効果は、山陰の自治体や経済界も十分に意識するはずです。

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