新大阪発京都経由鳥取・松江行き「山陰新幹線」を考える 地元は整備新幹線への格上げ熱望

2021.03.20

2030年ごろが着工判断のタイミングか

現在、整備新幹線は北海道、リニア中央、北陸、九州(西九州ルート)の4路線が建設工事中で、工程は別表のようになっています。

整備新幹線と開業予定の一覧。工事の遅れも考えられますが、2050年ごろまでには全国規模で新幹線ネットワークが完成する見通しです。(画像:山陰縦貫・超高速鉄道整備推進市町村会議)

JR東海が事業主体のリニア中央を除き、国(実質は鉄道建設・運輸施設整備支援機構)が建設する北海道、北陸(金沢―敦賀間)、九州は一部工事の遅れもありますが、計画通りだと2031年までに開業を迎えます。おそらく北海道新幹線札幌開業前年の2030年、もしくはもう少し早く、北陸新幹線敦賀延伸開業時あたりが、次の新幹線をどうするのか、造るか造らないかを見極める、一つの節目になりそうな気がします。

岡山と松江を結ぶ「中国横断新幹線」

山陰エリアには、山陰新幹線以外にもう一つの新幹線計画もあります。それは伯備新幹線で、正式名称は「中国横断新幹線」。在来線のJR伯備線に沿った新幹線で、路線は岡山―松江間の約150km、所要時間約44分。山陰新幹線と同じく1973年に基本計画が決まったものの、具体化の動きはありません。

永久に造り続ける

最後に少々、個人的な雑談にお付き合いを。山陰新幹線について、沿線を除けば「造れない」もしくは「造る必要がない」の見方が大勢のようにも思えます。当コラムを書いている私自身も、「四国新幹線や山陰新幹線の建設は相当難しい」と考えます。しかし現状、日本の社会は法律の裏付けもあり、整備新幹線を永遠に(もちろんゴールはありますが)造り続けることで成り立つ構造になっていて、それを世間は「成長戦略」と言ったりするわけです。

確かに半世紀前とはいえ、閣議決定は今も生きているわけで、「整備新幹線は不要」と主張する政党が、国会で多数派を占める状況は考えにくいものがあります。山陰新幹線のコラムの締めくくりにはふさわしくないことを自戒した上で、本稿が読者諸兄にとって「これからの日本に本当に必要な鉄道は何か」を考えるきっかけになってもらえれば、筆者にとって過ぎたる喜びといえます。

文:上里夏生

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