年々増え続ける記録的大雨や局地的集中豪雨といった異常気象に、JR東日本は先手を打っていた。

たとえばJR東日本の新幹線は、気象レーダーで線路沿線の降雨量を観測し、降雨量が数十年に一度発生するような規模の雨量に達した場合、列車の運転を一時見合わせる運転規制を、2020年8月から追加導入していた。

それまでは、盛土・切取のり面や自然斜面の一部区間で線路沿線に設置した雨量計で降雨量を観測し、一定の基準値を超過した場合、列車の速度を制限する運転規制だった。

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これに加えて、列車を止める(いったん抑止)などの、一時見合わせる運転規制を追加導入したことで、記録的・局地的な大雨などに対し、より的確な運転規制が行えるようになったという。

列車を止めるなどの運転規制区間は、橋りょう、高架橋、トンネルなどをのぞくすべての区間に設定。気象レーダーで設定した「数十年に一度発生するような記録的降雨量を基準値」の運転規制基準値を超えると、運転規制区間すべてで列車をいったん抑止する。

同社はこうした運転規制のほか、軌道側の降雨防災対策も実施。

土砂流入を防ぐ策として土砂流入防止対策を約110か所に、土砂崩壊防止対策(のり面防護工)を約70か所に、土砂流出対策として土砂崩壊防止対策(のり面防護工)を約20か所に実施。

2021年度から2023年度まで3年かけ、合計200か所に対策工事を施工。対策工事費は約80億円を見込んでいる。