103系や115系、新幹線0系が旅立った駅
東京都江東区。下町を縦に流れる隅田川と旧中川を、東西にまっすぐ結ぶ運河―――小名木川。
この小名木川を使った水運・舟運と、陸路の鉄道を結ぶ貨物駅があった。しかも、103系や115系、新幹線0系といった国鉄型車両が、この貨物駅を拠点に全国へと運ばれた。
それが、小名木川駅。
小名木川駅は、総武線 小岩から南へ分岐し、現在の東京レールセンター・越中島駅へと続く総武線支線の途中に、1929(昭和4)年、開業した。
その駅名のとおり、小名木川の南側に貨物ヤードを構え、非電化の総武線支線とこの貨物駅を、蒸気機関車やディーゼル機関車が行き来していた。
画像↑↑↑は、国土地理院1979年の画像。縦に走る線路が総武線支線(越中島支線)、小名木川駅の貨物ヤードの北側を東西に流れるのが小名木川、小名木川駅の東側(画面右側)を並行して走る道が明治通り、同じく駅の西側(左側)を流れるのが横十間川。
小名木川駅は、2000年に廃止。その業務を7km北にある常磐線 隅田川駅へ移管。跡地はいったん更地になり、そこにセブン&アイ・ホールディングス系のアリオ北砂が出現、現在にいたっている。
単線の越中島支線のなかで、このアリオ北砂付近だけ、複線の行き違い施設などがある。こうした施設が、小名木川駅の名残。いまも明治通りの交差点に「小名木川駅前」という交差点がある。
このアリオ北砂付近では、DE10形ディーゼル機関車が引くチキ列車(画像↓↓↓)や、キヤE195系などのレール輸送列車が、この行き違い複線で休む姿に出会える。
そしてこの小名木川駅の南には、都内唯一の車両製造メーカーとして存在した汽車製造 東京製作所があった時代は、この小名木川を拠点に、103系や115系、新幹線0系といった国鉄型車両などが全国へと旅立っていった。
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