【木造駅舎カタログ】岩徳線002/59 玖珂駅
※2020年8月撮影
トップ画像は、岩徳線玖珂(くが)駅。駅前に黒っぽいクルマが停まっている辺りから左、切妻屋根が継ぎ足された部分からは増築された岩国市の高齢者生活福祉施設「玖珂町はつらつハウス」。木造駅舎の有効活用例の一つです。
駅前通りを渡る横断歩道から。
※2020年8月撮影
緑色のトンガリ屋根の乗ったドームが福祉施設の玄関になっています。駅舎の向こうに見えているのは使用されなくなった玖珂駅の構内跨線橋とその外側にある公道跨線橋です。
※2020年8月撮影
切妻屋根が一段低くなっている部分がオリジナルの駅舎。出入口に「国鉄 建物財産標 財第27号 鉄 C停 本屋1 S.9.12.」がありました。駅舎は開業以来使われています。
※2020年8月撮影
玖珂駅は、1934年(昭和9年)山陽本線新線の新駅として開業。1944年(昭和19年)岩徳線の所属駅になりました。国鉄分割民営化でJR西日本の駅になって、1996年(平成8年)業務委託駅になります。1997年(平成9年)みどりの窓口が営業開始しましたが、2002年(平成14年)に営業終了。同時に簡易委託駅になり土日は無人駅。かつては単式・島式ホームの複合型2面3線でしたが、島式ホームの駅舎側線路が撤去され2面2線になります。その後、島式ホームは使われなくなり現在は駅舎側の1面1線になっています。
※2020年8月撮影
公道の跨線橋を上がります。右は使われなくなった玖珂駅構内跨線橋。
※2020年8月撮影
跨線橋を降りる途中から上り方面。使われなくなった島式ホーム手前の線路は錆びています。奥の現役ホームが無闇に長い。でもフェンス(黄色矢印)があります。現在岩徳線はほとんど1両編成(長くて3両編成)での運行なので全く不必要な長さです。
※2020年8月撮影
こちらは下り方面。使われなくなったホームと手前には切れている側線もあります。
※2020年8月撮影
岩徳線の反対側から駅舎。
※2020年8月撮影
使われなくなったホームには駅名標がそのまま付いています。こちらから見るとオリジナル駅舎の部分、屋根が違うので分かり易いです。
※2020年8月撮影
下り方面を見ていますが、島式ホームも滅茶苦茶に長い。かつての山陽本線だった時代には蒸気機関車に牽かれた客車10両編成が運行されていたのです。
※2020年8月撮影
※鉄道の撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいています。撮影は何よりも安全が最優先。あくまでも業務・利用の邪魔にならないように、そしていつも感謝の気持ちを持って撮影しています。
(写真・文章/住田至朗)