高校生鉄道モデラー集う 「鉄道模型コンテスト2025」で白梅学園がV2の最優秀賞 宮城の桜の名所も要注目(東京都新宿区)

鉄道模型とジオラマの真夏の祭典、17回目の「鉄道模型コンテスト(鉄コン)2025全国大会」が2025年8月1日から3日間、東京都新宿区の住友新宿ビル三角広場で開かれた。
一部海外を含む全国の中高生が、学校単位で作品の出来ばえを競った。参加校数が最も多いモジュール(Nゲージ集合式ジオラマ)部門には、過去最多の187校が作品を提出。東京都小平市の白梅学園清修中高一貫部の「愛され続ける日光軌道」が最優秀賞に選ばれた。白梅学園は2024年の前回も最優秀賞を受賞。見事V2を達成した。
コンテストは、イベント名と同じ鉄道模型コンテスト(一般社団法人)が主催し、文科省やJRグループ各社などが後援した。Nゲージのモジュールと写真パネル1枚分の1畳レイアウト(ジオラマ)に加え、Nゲージより大型のHOゲージ車両の3部門で参加作品を募集した。
最優秀賞の白梅学園がよみがえらせたのは「東武日光軌道線」。明治末期の1910年に開業、1968年に廃止された東武鉄道(初期は別会社)の路面電車で、路線は国鉄駅前~馬返10.6キロだった。中禅寺湖観光客のほか、貨物も輸送したが道路交通普及で廃止。1954年製と比較的新しかった200形電車が、東京都墨田区の東武博物館で静態保存される。

ジオラマは、日光軌道線のハイライト・大谷(だいや)川を渡るシーン。「日光の社寺」として世界遺産登録される神橋のほか、いろは坂、華厳の滝など日光のシンボルをコンパクトにまとめた。観光バスに乗客を乗せ、河岸の岩肌もリアルに表現するなど細部にこだわった。
白梅学園は上位の常連。前回のほか、4年前の2021年にも文部科学大臣賞を受賞している。
【参考】
中高生鉄道モデラー真夏の祭典 「鉄道模型コンテスト」盛況に開催 白梅学園に文科大臣賞(東京都新宿区)(※2024年8月掲載記事)
https://tetsudo-ch.com/12971716.html
東北線の桜のスポットも
鉄コン2025は、ほかにも力作ぞろい。注目を集めたのが佐藤学園ヒューマンキャンパス高校の「車窓に映る春の記憶」。モチーフは〝一目千本桜〟で知られる、東北線大河原~船岡(宮城県)。製作期間約3カ月間で、Nサイズの幹にピンク色のパウダーを振りかけ満開の桜の表現した。

遊び心を感じさせるのが、線路に並行する道路。スピード違反のクルマが、パトカーに捕まるシーンを表した。今回が3回目の参加になる同校は「ベストクオリティ賞」を受賞した。
同校は、鉄道運転士や車掌、駅務員など鉄道業界の仕事を学べる「鉄道サービス」専攻を2022年4月に秋葉原学習センターに開講した、通信制高校はじめての鉄道人養成を目指した教育機関だ。2025年8月23日には、体験授業・説明会で「鉄コン発表会」を開催する。
鉄コンは2025年8月13~18日、福岡市博多区の博多阪急7Fイベントホール「ミューズ」で九州凱旋大会が開かれる。
記事:上里夏生
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