トキ鉄と銚電が姉妹鉄道の縁組み 地方鉄道にとって提携の意義は 海外鉄道では台湾との提携が盛ん【コラム】

2021.09.04

トキ鉄、銚電の姉妹鉄道セレモニーのバックには控えるのは、国鉄時代末期に登場した急行色の413系電車。車内にはトキ鉄グッズショップがあるそうです(画像:銚子電気鉄道)
セレモニーでは特製ヘッドマークがお披露目されました。マークは現在、銚電の電車に取り付けられています(画像:銚子電気鉄道)

本サイトにも予告記事が掲載済みですが、新潟県のえちごトキめき鉄道(トキ鉄)と千葉県の銚子電気鉄道(銚電)が2021年8月15日、姉妹鉄道の縁組みを結び、新潟県上越市にあるトキ鉄の鉄道テーマパーク「直江津D51レールパーク」で、セレモニーが開かれました。

片や北陸新幹線開業でJRから経営分離された並行在来線、片や海産物や特産の醤油を運んでいた老舗鉄道と、生い立ちや性格は大きく異なる両社ですが、共通するのは「観光鉄道としてエリア内外から誘客し、生き残りを図る」の一点。ここでは「姉妹鉄道」をキーワードに、鉄道相互提携のメリットなどを考えましょう。

新潟県が出資する三セク鉄道と、〝食品メーカー〟が運営する鉄道

まずは何回も紹介済みですが、簡単に両社のプロフィール。トキ鉄は、新潟県や沿線3市が出資する第三セクター鉄道です。2015年3月の北陸新幹線金沢延伸開業で、並行在来線を引き継いで開業しました。

運行するのは、日本海ひすいライン(北陸線市振ー直江津間)と、妙高はねうまライン(信越線妙高高原ー直江津間)。営業キロは全体で97.0キロで、地方鉄道としては長い距離を営業します。

銚電の路線は、銚子ー外川間の6.4キロです。開業は1923年で、2年後の2023年に100周年を迎えます。2006年以降、数度の経営危機に見舞われ、その中でぬれ煎餅やまずい棒といったヒット商品を生み出しました。

菜の花畑を行く銚電。現在の車両は京王電鉄から四国の伊予鉄道を経て、関東に里帰りした電車で統一されています(写真:Nabe / PIXTA)

最近の銚電は、年商5億円のほぼ8割を鉄道以外で稼ぎ出します。セレモニーのあいさつで、竹本勝紀社長も「食品メーカーの銚子電気鉄道です」と、自虐ネタ気味のユーモアを交えて自己紹介しました。

前職はいすみ鉄道社長

トキ鉄の鳥塚亮社長は、鉄道業界の有名人。元々は航空業界に在籍。2009年に千葉県の三セク・いすみ鉄道の公募社長に選考され、ムーミン列車や、採用者が費用を自己負担する新しい運転士養成制度の創設などで、同社の知名度を全国区に高めました。

鉄道ファンには、国鉄形気動車キハ52やキハ28といったクラシック車両の導入でおなじみ。実際に乗車された方も、いらっしゃるでしょう。

鳥塚社長は、2018年にいすみ鉄道社長を退任し、2019年からトキ鉄のトップに就任。最近、本サイトでも取り上げましたが、観光列車「えちごトキめきリゾート雪月花」の地元・新潟県民向け運転や、2021年4月には本社を置く直江津運転センターに「直江津D51レールパーク」をオープンし、鉄道ファンの視線を引き付けます。

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