近江鉄道と伊豆箱根鉄道が台鉄2駅と姉妹縁組み

伊豆箱根鉄道と姉妹縁組みした台鉄礁渓駅(左)と近江鉄道と縁組みした台鉄萬華駅(画像:西武HD)

後段は、海外鉄道との姉妹縁組み。日本の多くの鉄道が関係を持つ、台湾鉄道の話題を集めました。直近の話題といっても2020年秋ですが、西武ホールディングス(HD)傘下の近江鉄道と伊豆箱根鉄道の地方私鉄2社は、台湾国鉄に相当する台湾鉄路管理局(台鉄)と「姉妹駅協定」を結びました。

姉妹駅になったのは近江の多賀大社駅と台鉄の萬華(ばんか)駅、伊豆箱根の伊豆長岡駅と台鉄の礁渓(しょうけい)駅。台湾では日本の鉄道が人気で、コロナ収束後には台湾人観光客の来訪や乗車が期待できます。

西武は姉妹鉄道協定

西武グループと台鉄の関係では、2015年に西武HDが「包括的事業連携に関する友好協定」、西武鉄道が「姉妹鉄道協定」をそれぞれ結び、交流を促進しつつ相互送客で利用促進に取り組んできました。今回は交流をもう一段深めようと、地方鉄道2社と台鉄が姉妹駅協定を結びました。

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台鉄は日本の鉄道との姉妹縁組みに熱心です。両国には水上、大村、武田など同名駅が30駅以上あり、いすみ鉄道と集集線の姉妹鉄道、東京駅と新竹駅の姉妹駅など両国間の提携は20件を超えます。

車両メーカー団体も台湾と交流覚書

日本鉄道車輌工業会と中華軌道車輛工業発展協会による「日台鉄道産業交流に関する覚書」のセレモニー(筆者撮影)

最後に、鉄道車両メーカーでつくる日本鉄道車輌工業会は、台湾の中華軌道車輛工業発展協会との間で「日台鉄道産業交流に関する覚書」を交わしています。両団体が協力して鉄道車両分野の技術交流を促進するとともに、人材育成にも協力して取り組みます。

台湾高速鉄道が、コア技術に日本の新幹線システムを採用することは皆さんご存じでしょうが、日本が海外で開催する鉄道セミナーでは台湾の鉄道関係者にゲスト出演してもらい、日台合同で日本の鉄道技術をPRします。

ちなみに、台湾の年間車両生産両数は都市間鉄道年間約600両、地方鉄道約520両、機関車約130両、貨車などその他約60両で、合計1300両程度だそうです。

日本の新幹線システムを採用した台湾高速鉄道。東海道・山陽新幹線の700系がベースです(TETSUYA氏 / PIXTA)

文/写真:上里夏生