新幹線への車いす用フリースペース整備が進む 写真は北陸新幹線等に使用されるE7系=イメージ=(写真:IK / PIXTA)

いろいろあった東京オリンピック・パラリンピックも終了し、今は〝オリパラロス〟の寂しさを感じている方がいらっしゃるかもしれません。今大会は自国開催ということもあり私自身、オリンピックに増してパラリンピックを熱心に見たような気がします。

振り返れば、2013年9月のIOC(国際オリンピック委員会)総会で東京大会の開催が決まって以来、「オリパラと鉄道」を報じてきた立場で残念に思うのは、ほとんどの会場が無観客になり、鉄道各社のバリアフリー化策を世界の人たちに知ってもらうチャンスを逸してしまった点。しかし、誰もが利用しやすい鉄道づくりは「オリパラのレガシー(遺産)」として、後世に引き継がれるはずです。行政や事業者の取り組みを、総集編の形でまとめました。

新幹線にフリースペース登場

国(国土交通省)の行政レベルでは、バリアフリー整備基準が2021年4月1日から新しくなりました。バリアフリー法(通称)に基づく整備目標が同年3月末に期限を迎えたのを受けて、新しい目標が制定されました。

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行政の取り組みでもう一つ、国の新幹線改正バリアフリー整備ガイドラインが2021年7月1日から施行(適用)され、JR東日本とJR東海はそれぞれの新幹線に車いす用フリースペースを整備する計画を発表しました。

両社とも既にフリースペースを採用した新幹線車両を導入済み。そのことは本サイトでも紹介させていただいたので、今回はもう少し時計を巻き戻して、なぜフリースペースなのか再考したいと思います。