ホーム柵を全駅に整備した北大阪急行

北大阪急行の駅に設置された可動式ホーム柵。千里中央駅(左)と緑地公園駅(写真:国土交通省)

ここから事業者の取り組みを3題。といってもニュースソースは国交省ですが。同省が毎年、優れた取り組みを顕彰するのが「国土交通省バリアフリー化推進功労者大臣表彰」。直近では、2020年の13回目の表彰を北大阪急行、東急電鉄、スルッと関西協議会の3社が受けています。

北大阪急行は大阪メトロ御堂筋線と相互直通運転して、大阪府豊中市と吹田市の境界付近を走る第三セクター鉄道。最近の本サイトでは、終点の千里中央から箕面船場阪大前を経て、箕面萱野への路線延長計画が紹介されました。

国交省は同社の全駅可動式ホームドア(ホーム柵)設置、多面的なバリアフリー化の取り組みを評価して大臣表彰しました。北大阪急行は全部で4駅と駅数は少ないのですが、2018年3月までにホームドア整備を完了。同時に、ホームと車両の段差・すき間の解消、誘導ブロックの視認性向上、視覚・聴覚障がい者対応の情報提供システム整備などを進めました。

アプリでバリアフリー情報(東急)、障がい者用ICカード乗車券(スルッと関西協)

スルッと関西協議会の特別割引用カード(見本)(画像:国土交通省)

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同じ大臣表彰を受けたのが東急電鉄で、ホームドア整備のほか、東急線アプリで運行情報や各駅バリアフリー情報を発信。駅ホームや改札口のデジタルサイネージにも案内を掲出することで、聴覚障がい者への緊急時の誘導に活用します。

おしまいは関西エリアでICカード乗車券サービスを提供するスルッと関西協議会で、割引運賃が適用される障がい者を対象に本人用、介護者用それぞれのICカードを発行します。係員に手帳を見せることなく改札を通過することができ、障がい者の移動環境を大きく前進させました。

最後はオリパラに別れを告げる1枚。2021年9月1日、東京都メディアセンターが主催する視察船ツアーに参加して、選手村を海上から眺めました(筆者撮影)

記事:上里夏生

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