JR西日本とソフトバンクは、自動運転と隊列走行技術を用いた BRT(Bus Rapid Transit:バス高速輸送システム)の実証実験を、10月からJR西日本 網干総合車両所 宮原支所 野洲派出所(網干電車区)内に設けた専用テストコース(滋賀県野洲市)で始める。

同実験では、専用テストコースの走行路が完成するのにあわせ、連節バス・大型バス・小型バスの自動運転車両3種を使い、車種が異なる自動運転車両が合流し、隊列走行などを行っていく。

テストコースでの実証実験を通して、自動運転・隊列走行 BRTの技術確立と実用化、システムの標準パッケージ化をめざし、2020 年代半ばをめどに次世代モビリティサービスとして社会実装を進めていく。

ADVERTISEMENT

2社は、まちづくりと連携した持続可能な地域交通としての次世代モビリティサービスの実現に向けて、自動運転・隊列走行 BRTの開発プロジェクトを2020年3月に立ち上げていた。

自動運転・隊列走行 BRT サービスがめざす姿

(1) 専用道による安全性・定時性・速達性の実現
(2) 専用道の利点を生かした自動運転・隊列走行の早期実現
(3) 需要に応じた柔軟な輸送力の確保
(4) 他の交通手段と連携した一体的でフラットな(段差の少ない)交通網の実現
(5) 運転手の担い手不足の解消
(6) シンプルな設備によるローコストなモビリティサービスの実現

専用テストコースの場所・実験項目・スケジュール

(1) 所在地:滋賀県野洲市冨波乙(JR西日本網干総合車両所宮原支所野洲派出所内)

(2) 主な実証実験項目
1. 自動運転・隊列走行に関する車両の技術検証
2. 自動運転・隊列走行に適した走行環境・地上設備の検討
3. 乗降場への正着制御や車両の遠隔コントロールなどの運用面の検討
4. 様々な環境下における上記項目の比較検証を通じた事業性の検討

(3) スケジュール
1. 2021年 10月 自動運転に向けた車両の機能試験開始
2. 2022年 春頃 3種類の自動運転車両を用いた隊列走行の試験開始
3. 2022年 夏頃 乗降場への正着制御や車両の遠隔コントロールなどの運用面の試験開始
4. 2023年 専用テストコースでの自動運転・隊列走行(先頭車:ドライバー同乗、後続車:無人運転)に関する技術確立(目標)

画像:JR西日本・ソフトバンク
記事:鉄道チャンネル(https://tetsudo-ch.com/