もはや吹雪です 馬来田駅【木造駅舎カタログ】久留里線03/297
※2022年1月撮影
トップ画像は、久留里線馬来田(まくた)駅。撮影は2022年(令和4年)1月6日の13:15頃。雪は激しく降っていますが幸いまだ地面には積もっていません。でも寒風に雪が舞ってまるで吹雪。(笑)
ここまで北上してきた久留里線は、次の東横田駅で、ほぼ西に向きを変えて木更津駅に向かいます。馬来田駅の部分で久留里線は南北に走っています。駅舎は線路の東側。
県道から駅に入ると駅前広場があります。
※2022年1月撮影
駅前広場の南側から。久留里線は上総亀山駅から木更津の北西で東京湾に注ぎ込む小櫃川(おびつがわ)の流域を走っています。小櫃川も馬来田駅の北側で大きく西に流れを変えます。
※2022年1月撮影
駅舎正面の中央には「いしはらタクシー」と書かれた部分が増設されています。この雪の日、室内には人の気配はありませんでした。
※2022年1月撮影
馬来田という地名は、日本書紀に登場したというほどに古いものです。しかし駅の周囲に地名の馬来田は見当たりません。
1889年(明治22年)町村制施行で真里谷村、真里村などが合併して馬来田村が発足しています。
馬来田村が発足当時所属していた望陀郡(もうだぐん)は古代には馬来田国造が治め馬来田国と呼ばれていたのです。
1912年(大正元年)12月に久留里線の馬来田駅が開業。1955年(昭和30年)富岡村の一部と合併し富来田町が新設され馬来田村は廃止。富来田町も1971年(昭和46年)木更津市に編入されて廃止されました。馬来田駅の駅所在地は、千葉県木更津市真里です。馬来田村を作った真里村があった場所なのでしょう。
駅舎の横に当地出身の書家による石碑があります。
※2022年1月撮影
馬来田駅は、国有化を経て1987年(昭和62年)国鉄分割民営化でJR東日本の駅になっています。その後相対式ホーム2面2線は単線化されましたが、使用されなくなったホームはそのまま残っています。
雪は、雨よりも撮影が少し楽ですが、とにかく激寒い!
※2022年1月撮影
待合室ではなく駅舎出入口で坐り込んでいる利用者さんがいました。どうやら待合室が暗いのでスマホの操作のために外に出られた様でした。
※2022年1月撮影
駅舎出入口。無人駅です。待合室には乗車駅証明書発行機があるだけでした。窓口は残っていました。正面の階段でホームに上がります。
※2022年1月撮影
久留里駅~木更津駅間は1時間に1本列車が運行されます。
駅の正面。県道が並行しています。
※2022年1月撮影
※タイトルは『木造駅舎』となっていますが、厳密に「構造として木造建築」の駅舎だけをとりあげているワケではございません。あくまでも筆者が気に入った駅舎を恣意的に選ばせていただいています。外観が明らかに木造建築と異なる場合でも、煩雑を避けるためタイトルは【木造駅舎カタログ】のまま進行いたします。悪しからずご了承ください。
※駅などについては『JR全線全駅』(弘済出版社/1997)、『週刊朝日百科 JR全駅・全車両基地01-60』(朝日新聞出版/2012-2013)他を参照しています。
※鉄道撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいているものです。鉄道を撮影する時は感謝の気持ちを伝えましょう。ありがとうございます。
(写真・文章/住田至朗)