JR東日本の新幹線東京駅にホームドアを導入へ!E5系・E7系など多様な編成に自動対応
JR東日本は、新幹線の玄関口である東京駅の全ホーム(20番線〜23番線)にホームドアを導入すると発表しました。東京駅にはE5系、E7系、E8系など多種多様な新幹線が発着しますが、同社が設置するホームドアは、ドア位置の異なる多くの編成に対応し、適切なドアだけを開閉させるという「新幹線で世界初」のシステムを採用。2028年度末から順次使用を開始し、乗客の安全性を大きく向上させます。
乗降客の多い東京駅でさらなる安全対策を
JR東日本ではこれまで、新幹線が高速で通過する駅の風圧対策としてホームドアを設置してきました。今回、1日の乗車人員が7万人を超える新幹線東京駅の20番線から23番線の全ホームに、乗客の列車との接触や線路への転落防止を目的として、新たにホームドアを設置します。これにより、首都圏の玄関口である東京駅の安全レベルが一層強化されます。
QRコードで編成を識別する自動開扉システム
東京駅にはE5系、E7系、E8系など、ドアの位置や数が異なる様々な種類の新幹線が発着します。今回導入されるホームドアは、これらの多種多様な編成に対応できる特別なレイアウトで設置されます。

最大の特徴は、その車両のドア位置に合ったホームドアだけを自動で開扉させるシステムです。JR東日本は駅に到着した列車の種類をQRコードで自動判別する方式を開発中で、今後検証試験などを行いながら導入に向けた検討を進めていきます。
QRコードを用いた車両識別は、ドア位置が異なる車両が混在する路線へホームドアを設置する上で鍵となる技術です。初めて採用したのは東京都交通局で、都営地下鉄浅草線へ導入しています。
都営地下鉄でのQRコード活用のホームドア導入例
都営地下鉄の各線では、従来は車両と地上に無線装置などを設置し、車両ドアとホームドアの開閉を連動させていましたが、浅草線は複数の鉄道事業者による相互直通運転を行っていたため、車両の編成数やドアの数が異なる列車が運行しており、従来の方法では多くの経費と時間がかかると想定されていたそうです。
その対応のために 東京都交通局がデンソーウェーブと共同で開発をしたのが、このQRコードを用いたドア開閉連動技術でした。(QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です)
列車が入ってくると、車両ドアに貼られたQRコードをホーム上のカメラ(読み取り装置)がとらえて、その車両が何両編成で扉の数や位置がどこかなどの情報を判断してホームドアの開閉を行います。これにより、必要なドアだけを開けて、開けなくてもよいホームドアは開かないという制御が可能になり、ホームドア設置のコストも約20億円から約270万円に大きく削減できたことが報道されました。
現在では、複数の鉄道会社が、このようなQRコードを用いたホームドアの制御システムを利用しています。
使用開始は2028年度末から
東京駅でのホームドアの使用開始時期は、ホームごとに以下の通り予定されています。
・20番線・21番線ホーム: 2028年度末
・22番線・23番線ホーム: 2029年度末
JR東日本では、将来的には、現在は駅社員が行っている開閉操作を車両側のドアと連携させて全自動で行う機能の検討も進められているそうです。
JR東日本エリアの新幹線ホームドアの整備状況
JR東日本は今後、他の新幹線駅についても利用状況などを踏まえ、ホームドアの導入を推進していくとしています。

JR東日本が経営ビジョンに掲げる「究極の安全」の追求に向けた、大きな一歩となる今回の発表。最新の技術を導入し、日本最大のターミナル駅である東京駅から、新幹線の安全性が新たなステージへと進みます。数年後の完成が今から楽しみですね。
(画像:JR東日本)
鉄道チャンネル編集部
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