100年に一度の大規模再開発が進む渋谷に、また一つ注目のスポットが誕生します。東急は、渋谷三丁目エリアにカフェ一体型の新ミュージアム「Museum of Imaginary Narrative Arts[MINA]」を2026年4月1日(水)にオープンします。最大の特徴は「展示室そのものがカフェ」であること。小田桐奨と中嶋哲矢からなるアーティストユニット「L PACK.」をプロジェクトディレクターに迎え、厳選されたコーヒーを味わいながらアートの物語に浸るという、日常的な文化体験を提供します。渋谷の喧騒から少し離れたこの場所で、どのような新しい物語が始まるのか。その詳細をレポートします。

渋谷駅から徒歩圏!カフェ一体型ミュージアム「MINA」誕生

「Museum of Imaginary Narrative Arts[MINA](以下、MINA)」は、2026年4月1日(水)に開業予定の新しいスタイルのミュージアムです。渋谷駅C1出口から徒歩約3分、2018年に誕生した複合施設「渋谷ストリーム」に至近の好立地でありながら、緑豊かで落ち着いたエリアに位置しています。

ⒸOpen Street Map

建物は軽量鉄骨造の1階建て、延床面積は94.77平方メートルというコンパクトな造りです。営業時間は11:00~22:00までで、定休日はありません。現代美術ユニット「L PACK.」をディレクターとして迎え、アート作品に囲まれながら飲食も楽しめる空間です。

展示室がそのままカフェに?アートと食を同時に楽しむ空間

カフェで提供されるフードとドリンク Ⓒfujico

MINAの最大の特徴は、展示室全体がカフェとなっている点です。ディレクターのL PACK.が焙煎するコーヒーなどのドリンクやフードを楽しむことができ、日常使いのカフェとしてはもちろん、渋谷で働く人々の食事処としても利用可能です。

オープン記念の現代美術展覧会

左:菅原玄奨氏の作品/右:BIEN氏の作品

オープン記念として最初の展覧会「-公共性と広告性を再編集する / Re-editing the Narratives of the Public-」を、2026年4月1日~6月21日まで開催します。菅原玄奨氏とBIEN氏の2名の作家が参加し、ミュージアムポスターが担う「広告性」と「公共性」の役割を探る展示を行います。

メニュー表を兼ねた季刊誌「COFFEE TABLE BOOK」

施設内で発行する季刊誌「COFFEE TABLE BOOK」は、カフェのテーブルに置かれたメニューから始まるミュージアムブックです。注文の待ち時間やコーヒーを飲む時間を利用して読み進めることで、アート作品から都市、そして渋谷の文化へと視点がひらかれていくユニークな試みとなっています。

東急が掲げる「Greater SHIBUYA2.0」と街づくり

左:渋谷川と渋谷ストリーム/右:金王八幡宮周辺

東急グループは、渋谷まちづくり戦略「Greater SHIBUYA2.0」を掲げ、渋谷駅周辺・広域渋谷圏のまちづくりを推進しています。100年に一度と称される大規模開発の進行とともに、渋谷駅周辺の大規模な駅ビル開発や線路跡地を活用した「渋谷ストリーム」の整備など、巨大なハード面の開発を牽引してきました。

【参考】全体完成は2034年度 東急のシブヤ大改造が最終章に 渋谷駅の過去・現在・未来も深掘りします(東京都渋谷区)【コラム】 https://tetsudo-ch.com/13003535.html

そうしたなかで、4月1日にオープンするMINAは、渋谷駅至近でありながら緑豊かで落ち着いた街並みの渋谷三丁目エリアの魅力を、アーティストの視点で引き出すことを目指しているとのこと。訪れた人が自分の居場所を見つけやすくなる「関わりの余白」を大切にしながら物語を紡いでいきたいという思いが込められています。

「あえての平屋」がもたらす贅沢

数万人を収容する超高層ビルが隣接する中で、わずか94.77平方メートルの平屋を建てる。これは東急が掲げる「Greater SHIBUYA2.0」において、効率性よりも「街の体温」を重視し始めたことの宣言のようにも感じられます。巨大な駅ビルの喧騒に疲れたとき、渋谷では贅沢な小休止の場となりそうです。

仕事帰りにふらりと立ち寄れる

営業時間が22:00までと、美術館としては異例の長さです。仕事帰りに、美術館の静寂とカフェの温もりを求めて立ち寄るのが、この施設のポテンシャルを最も引き出す利用法でしょう。

再開発が進む渋谷において、私たちはつい「新しさ」ばかりを追いかけてしまいます。しかし、MINAが提供するのは、立ち止まり、考え、物語を紡ぐための「時間」そのものです。4月の開業後、まずは一杯のコーヒーを求めて。その一口が、あなたの知っている渋谷の風景を少しだけ変えてくれるかもしれません。

(画像:東急)

鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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