北条鉄道が「キハ元年」と打ち、3月13日からゆっくりと走らせる国鉄形ディーゼルカー(気動車)キハ40形535。

兵庫県小野市の粟生駅から加西市の北条町駅まで、13.6kmを結ぶ第三セクター北条線にやってきたキハ40 535は、JR東日本 五能線などで活躍していた秋田総合車両センター所属のくるま。

秋田から船で福井まで運ばれ、トレーラーに載せられて兵庫県入り。北条鉄道でいよいよ息を吹き返す。

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同様に、JR東日本から渡った錦川鉄道のキハ40 1009 や、小湊鐵道のキハ40群についてはこのあと触れることにして、まず3月から走り出す北条鉄道キハ40 535 の気になる点を。

北条鉄道は現在、富士重工 宇都宮工場でつくったフラワ2000形 1・2 軽快気動車と、三木鉄道から渡ってきたフラワ2000形 3 の3両がいる。

朝夕などのラッシュ時は2両編成で運転するシーンもあり、3両ともトイレはついていない。

そんな北条ファミリーに入ってきたキハ40 535 は、もともとトイレがついている。

汚水処理施設などもない北条鉄道では、キハ40 535 のトイレは使用せず、当分はそのまま閉鎖して営業運転に入っていくという。

また、次に気になるのは、クルマの車検にあたる車両検査。

8年ごとにやってくる大規模な全般検査(全検)などは、検査業者に委託して北条鉄道 車庫内などで実施する予定だという。

こうした検査スタイルは、小湊鐵道でも同様らしく、甲種回送や陸送で検査機関に預けるのではなく、自社の車庫内などで検査を実施するという。

そこで気になるのは、いまエンジントラブルで昨夏から引きこもっている錦川鉄道のキハ40 1009 。

同社では、コロナの収束具合をみながら、やはり同社車庫内などで修繕工事に着手し、春には再び錦川鉄道の注目列車を担う予定だという。

―――最後は、北条鉄道に戻り、その運行予定について。3月13日の北条線 本線デビュー後は、当面は土休日を中心に、乗務員の習熟訓練も含めながら、単行で走らせるという。

北条鉄道のキハ元年、春はもうそこまで。小湊鐵道や錦川鉄道の動きも注目しながら、乗って降りて、いろいろ体感する旅に出よう。