「MaaSでひがし北海道の観光振興に貢献」(WILLER)

2日目の釧網線の旅は川湯温泉から終点の釧路までですが、ここで小休止をいただいてWILLERと釧網線の関係を少々。WILLERは2019年、JR北海道や地元とタイアップして交通パス「Eastern Hokkaido Nature Pass2019Winter(ひがし北海道ネイチャーパス)」を発売するなど、道東の観光振興に取り組みます。

前提がWILLER版MaaSで、スマホで移動ルートの検索や予約・決済(支払い)が一発OK。釧網線はJR北海道が「自社では維持困難」とする線区で、WILLERも利用促進に交通・旅行業者の立場で参画します。WILLERの村瀬茂高社長はMaaSセミナーで、「交通空白地帯を埋めるのがMaaSで、自動運転などと絡めながら普及を図りたい、日本国内に続き、海外展開も考えていく」と発言しています。

「SL冬の湿原号」 2月中はDLけん引に

迫力いっぱいの「SL冬の湿原号」。2月はDLけん引で運転されることが画面でも告知されます

ツアー2日目、鉄道ファン目線で注目なのは「SL冬の湿原号」。C11 171号機が5両の客車をけん引。釧路―標茶間を3月21日までの金~日曜日と祝日を中心に運転する計画……でしたが、既に報じられる通りSLにピストン破損が発生してしまいました。

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現時点では、2月中はディーゼル機関車(DL)けん引で運転。3月は未定とのことです。JR北海道によると、SLは1940年製造で車齢80年を超し修理には時間がかかるそう。

冬の湿原号の客車は、今季から「たんちょうカー」が初登場。釧路湿原を代表するタンチョウヅルをモチーフに、温かみと高級感ある室内、眺望性を高めた座席レイアウトを採用しました。地元・標茶町などは「DLでも町にお越しいただける方をもてなしたい」と歓迎体制を敷きます。運転再開の日を待ちたいと思います。

側面の窓を大きく広げた「たんちょうカー」。迫力ある沿線の風景が心ゆくまで味わえます

釧路着 幣舞橋から世界三大夕日をみる

釧路湿原を走る釧網線には、タンチョウが飛来する茅沼駅などの見どころが点在。終点の釧路は、インドネシアのバリ島、フィリピンのマニラとともに「世界三大夕日」が知られます。釧路の夕日は、市内中心部を流れJR釧路駅からも徒歩圏の「幣舞橋(ぬさまいばし)が一番のスポットです。

最後に紹介を忘れていましたが、オンラインツアーには、ご当地グルメを届ける有料のミールキット付きプランも用意されました。ご当地グルメは、鮭の加工品「さざ波サーモン」、「ジャガイモ焼酎パウンドケーキ」、ホタテせんべい「ほがじゃ」、網走地ビール「流氷ドラフト」の4種類。私はせっかくの機会なのでグルメ付きで参加しましたが、味覚の面でも釧網線の魅力を味わえたことをご報告して、釧網線の旅を終えたいと思います。

記事:上里夏生(※写真はリモートツアーの画面をキャプチャしたものです)