東海道新幹線でおよそ20年にわたり使用されてきた車内チャイム「AMBITIOUS JAPAN!」は、きょう2023年7月20日をもって終了。あす7月21日から、現在展開中のキャンペーンテーマソング「会いにいこう」(歌唱:UA/作曲:岩崎太整)の車内チャイムに切り替わります。

写真は午後4時~5時頃、JR東京駅の東海道新幹線ホーム。いつもと変わらぬ日常の光景ですが、大勢の利用者の中には「『AMBITIOUS JAPAN!』も今日限りだ」と思いながら帰路についた方もいらっしゃったかもしれません。

JR東京駅では、午前7時ごろから一部のエリアでポスターが掲出されていました。「ともに走り続けた、友へ。」と「AMBITIOUS JAPAN!」への感謝を綴るとともに、あすからの車内チャイムの切り替わりを告知する内容です。同じものは日経新聞の朝刊に掲載されたほか、JR東海の公式Twitterでも投稿されました。

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JR東海によれば、JR東京駅におけるポスターの掲出は1日限りだそうで、今日たまたま東京駅に用事があった方、聞き納め乗車をされた方は、ひょっとしたら現地で目にされたかもしれません。

2003年のキャンペーンで導入

そもそも「AMBITIOUS JAPAN!」とは何だったのでしょうか。

導入当時のことを簡単に振り返ってみましょう。JR東海は2003年9月に東海道新幹線から100系を引退させ(山陽新幹線ではその後も活躍します)、10月に東海道新幹線の品川駅を開業。全列車の最高速度を270km/hに引き上げ、1時間に最大7本の「のぞみ」を運転する抜本的なダイヤ改正を実施することで、長距離移動のシェアを航空業界から取り戻そうとしました。

東海道新幹線新時代の幕開けです。JR東海は大々的なキャンペーンに打って出ます。「AMBITIOUS JAPAN!」はそのキャンペーンソングとして制作され、TOKIOのシングルとして10月1日にリリース、オリコン1位も獲得しました。東海道新幹線の車内チャイムには同年11月24日から採用されています。

キャンペーン自体は年内に終わる予定でしたが、好評を博していたこともあり、東海道新幹線開業40周年や愛・地球博開催などを理由に2005年まで延長。車内チャイムはキャンペーン終了後も続投ということになり、今日に至るまで使用され続けてきました。

車内チャイムの音源は2種類あり、始発駅発車後と終着駅到着前には歌い出しが、途中駅ではサビの部分が流れるという仕様でした。東海道新幹線(JR東海車両)に乗れば耳慣れた車内チャイムに旅情を掻き立てられ、目的地に近づけばチャイムを目安に背面テーブルを片付けたり、荷物棚からカバンを下ろしたりする。そんな日常が、明日から少しだけ変わります。

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