自動運転で「スマートトレイン」を実践

2022年2月に実施された日中自動運転試験の様子(写真:鉄道チャンネル編集部)

ラストは今昔物語の「今」。山手線で2022年10月から始まる自動運転(ドライバレス運転とも)の実証試験、JR東日本は、自動運転に代表される鉄道事業の質的な変革を「スマートトレイン」と表現します。

試験の詳細は本サイトでも紹介済みなので、ここでは大局的な観点から自動運転の意義を考察してみます。

鉄道は当たり前ですが、レール上を車両が走って人やモノを運ぶ公共交通機関。運転士が前方の信号を見て、安全を確認しながら列車を走らせるのが運行の基本です。確かに非常に確実性の高いシステムですが、一方でICT(情報通信技術)やIoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)が進歩する現代にあっては、もっと効率化した手法で同程度、あるいはレベルアップした安全・安心が確保できれば、利用客へのサービス向上につながります。

ADVERTISEMENT

同じ交通分野で、自動車は自動運転が実用化間近。そうした時代に鉄道が旧態依然とした運行スタイルでは、「鉄道は時代遅れの乗り物」の誤解を与えかねない。もちろん少子高齢化で、いわゆる現役世代が減少し、効率化しないと事業が継続できないという現実的な理由も大きいと思いますが……。

山手線今昔物語はここまで。ご覧いただいた皆さまありがとうございました。機会があれば、他駅や他線区の今昔もまとめてみたいと思います。

記事:上里夏生