烏丸線に40年ぶりの新型車両20系が登場

デザインコンセプトの「みんなにやさしい地下鉄に」を実践する20系の室内。側窓は下降式の2連窓が基本。地下鉄ですが近鉄の地上区間も走るため、ロールカーテンの日よけも設置しています

京都市営地下鉄のトピックス。すでに本サイトをはじめ鉄道系ニュースサイトで報道されていますが、烏丸線の新型車両が20系です。開業時からの主役だった10系電車が更新時期を迎え、京都市交通局は2021年度から2025年度にかけ、20編成のうち9編成を新型車に置き換えるスケジュールです。

新型車両の内外装デザインは、専門家や公募委員の意見を反映させ、複数案から京都市民や地下鉄利用客による選考投票も実施されました。デザイン投票のニュースは、本サイトでも募集開始時の2019年3月に掲載されました。3案のなかでは、B案が採用されたようですね。

デザインコンセプトの指針は、「みんなにやさしい地下鉄に」「京都ならではの地下鉄に」「愛着がわく地下鉄に」の3項目。

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以下ポイントですが、正面の行先表示器、前照灯・尾灯にはLEDを採用して視認性を向上させました。車体断面は段差のないすっきりした構成とし、室内空間をワイドに確保しています。

西陣織をはじめ古都の伝統文化も

20系の「おもいやりエリア」。通常シートや荷棚はなく、側面に2段てすり、中央に立ちがけシートを設置します。立ちがけシートは、もたれかかれる構造で、3人がけ2組を6人で使用できます。立ちがけシートの背中部分は、京都の伝統産業素材を展示するケースです

デザインコンセプトの一つの「京都ならではの地下鉄に」。京都らしさを表現するため、西陣織など伝統産業の素材や技法が車両の各所に散りばめられています。

伝統産業素材の傍らにはQRコードが掲出され、利用客がスマートフォンのカメラで読み取ると、詳細な技法の特徴やメーカー情報が表示されるといった、歴史と最新技術のミックスで京都の魅力を発信します。

また、車内に飾り付けられた一部の伝統産業素材については、受注生産で一般販売されるとともに、京都市ふるさと納税の返礼品としても出品されています。

このあたり、文章での表現には限界もあります。京都旅行を計画中の皆さん、ぜひ実際に乗車して魅力をご確認ください。

訪日外国人観光客の受け入れも、2年2カ月ぶりに再開されました。新型20系車両は、京都来訪客に、伝統産業を感じてもらういい機会になるでしょう。