※2022年6月撮影

トップ画像は、京成本線船橋競馬場駅の上りホーム駅名標。

船橋競馬場駅の経てきた約100年間は、正に日本の近代化の歴史、就中(なかんづく)大衆娯楽の隆盛と衰退のスタイルを体現しています。

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始まりは、塩田だった船橋の海岸地帯を埋立て、1925年(大正14年)京成遊園地が開園したことです。その後谷津遊園に改称。しかし、当時の谷津海岸駅(現・谷津駅)から谷津遊園まで道路が無かったため1927年(昭和2年)花輪駅から谷津遊園駅までの京成谷津支線1.2kmが開業しました。花輪駅は、1931年京成花輪駅に改称されます。現在の船橋競馬場駅はこの本線からの分岐駅だった京成花輪駅です。

1928年(昭和3年)船橋競馬場が京成花輪駅近くに開場。

谷津海岸駅(現・谷津駅)から谷津遊園までの道路が開通したことで京成谷津支線の存在理由は無くなりました。開業から5年も経たない1931年(昭和6年)京成谷津支線は営業休止、1934年(昭和9年)には廃止されました。

一方、1950年(昭和25年)船橋競馬場にオートレース場が併設されます。

同年京成花輪駅は、船橋競馬場前駅に改称。1955年(昭和30年)船橋ヘルスセンターが開業。1963年(昭和38年)センター競馬場前駅に改称。

1974年(昭和49年)谷津駅方向の現在地に競馬場前駅が移設され橋上駅舎化。

1977年(昭和52年)船橋ヘルスセンターが閉鎖。1982年(昭和57年)谷津遊園は黒字経営でしたが、京成電鉄の経営悪化と東京ディズニーランドへの経営参画などで惜しまれながら閉園。

1981年(昭和56年)船橋ヘルスセンター跡地に「ららぽーと船橋ショッピングセンター」開業。

1987年(昭和62年)船橋競馬場駅に改称。

まったく、すごい歴史です。

※2022年6月撮影

2歳から東京で育った筆者には、船橋ヘルスセンターのTVCMの記憶が今も残っています。残念ながら東京の西側で育ったので谷津遊園、船橋ヘルスセンターに行く機会はありませんでしたが。

船橋競馬場駅を巡る歴史を概観するだけで長くなってしまいました。【駅ぶら】は、次回に続きます。

(写真・文/住田至朗)

※駅構内などは京成電鉄さんの許可をいただいて撮影しています。

※鉄道撮影は鉄道会社と利用者・関係者等のご厚意で撮らせていただいているものです。ありがとうございます。