JR東、23年度から新幹線のスマートメンテナンス 「国内最速」の保守用車など導入
JR東日本は2022年12月13日、2種類の専用保守用車を導入し、2023年度から新幹線における「スマートメンテナンス」を順次開始すると発表しました。
スマートメンテナンスとは、JR東日本が導入する新しい仕事の仕組みのこと。技術者の目視による線路点検や検査を装置によるモニタリングに置き換え、安全性や品質、生産性の向上を図り、社員の働き方改革を推進します。
具体的には技術者の目視による線路点検を約50%削減し、検査を最大12倍の高頻度で実施。またビッグデータを分析することで劣化予測の精度が可能となり、CBMを実現します。
※CBM=Condition Based Maintenance、設備状態に応じて最適な時期に補修を行うメンテナンス手法。一定の期間を定めて修理や部品交換を行うTBMに代わる手法として注目を集めています。
2種類の専用保守用車を導入
2023年度に導入するのは、新幹線専用の「レールモニタリング車」です。
名前の通りレールの状態をモニタリングする保守用車で、超音波でレール内部の傷を発見したり、レール表面の凹凸や摩耗などのレール状態を総合的に把握することが可能です。
測定速度は従来の約2倍。レール状態の測定速度としては国内最速となるそうです。
また2024年度からは「線路設備モニタリング車」を導入。
こちらも新幹線専用の保守用車で、線路設備の種類に応じて「分岐器モニタリング装置」「軌道材料モニタリング装置」「点群データ取得装置」の3種の装置を搭載します。
「線路設備モニタリング車」は、こうした装置で線路の歪みや分岐器の材料状態、線路画像、走行経路周辺の空間情報などを調べることができます。新幹線全体の線路点検や検査にモニタリングデータを活用する仕組みの実用化は国内初となります。